夏の夜の思い出~星空写真家が選ぶ東北最高峰の星空~
夜空に吸い込まれる体験、してみない?
星空観測に適した条件を知っていますか?
突き詰めれば非常にたくさんの条件がありますし、天気など人間にはどうしようもない条件もありますが、特に重要な条件は次の7つです。
星空が映える“7つの条件”って?
星を見るためには、こんな環境が理想的!
星がきれいに見える条件
- 空が暗い(街灯が少ない)
- 周囲に明かりが無い
- 空気が澄んでいる(排気ガスやチリが少ない)
- 標高が高い(空気が薄い)
- 視界が開けている
快適に星を見るための条件
- アクセスが良い(駐車場や公共交通)
- トイレが近い
「それ全部そろう場所なんてあるの…?」と思った方。
あります。
それが山形県・米沢市の「天元台高原」なんです!
星空の名所「天元台高原」ってどんなところ?
天元台の名称は、もともとは碁盤の中心を意味する「天元」が由来ですが、あまりに星が綺麗なことから、天の根本の台地だから天元台だと勘違いしている人もいるとか。
星景写真家がワークショップを開くほどの絶景
天元台では、プロの星景写真家・北山輝泰さんが初心者向けの撮影ワークショップを開催したことも。
星空撮影の専門家が初心者にもおススメできるほどの星空ということは、当然見るだけでも心のメモリーに残ること間違いなし。
さらに、天元台では星がとてもきれいに見えるので、スマートフォンでも撮影可能なんです!(シャッタースピードを調整できるスマートフォンに限る)
▲筆者撮影(使用機材Galaxy S21 ISO感度3200, 露出30秒)
(注意事項)星景写真ワークショップの開催は天元台高原のホームページでご確認ください。
星空だけじゃない!昼は高山植物ハイキング
夏の天元台高原の平均気温は22度。夜はもう少し気温が下がるので、蒸し暑い中で汗をかくこともなく、快適に星空観測を楽しめます。
また、登山・トレッキングスポットとしても有名な天元台。日が落ちる前は足元に広がる高山植物を楽しみながら山歩きを楽しめます。
高い・空気が綺麗・暗い・アクセス良好、だけど……
天元台高原は標高1,350メートルに位置し、周辺環境が整備された観測スポットとしては日本有数の高地。標高が1,000メートル上がると1気圧下がる=空気の層が薄くなるため、低地よりもくっきりと星が見えます。また、排気ガスなども影響が少ないため空気が澄んでいます。
周囲にはペンションなどがありトイレ事情は問題なし。少し離れれば真っ暗闇です。
自家用車のほか、米沢駅からバスも出ていてアクセスもばっちり。
初心者から上級者まで、誰でも楽しめる天元台高原。でも、1つだけ問題があります。
それは、ロープウェイの最終運行時間が17時なこと。日没する頃には、運行が終わっているんです(泣)。
でも大丈夫。天文台では星空を楽しんでもらうためのプランを用意しています。
ロープウェイが夜9時まで運行「ナイトクルージング」
日付限定のイベントで、ナイトクルージング期間はロープウェイの下り最終便が21時になります。
星空案内人がみなさんを星空ツアーにご招待。「星座とか全然わからなくて……」という人も安心して参加いただけます。
必要なのは身体だけ。1日5組限定「手ぶらでキャンプ」
「キャンプやってみたいけど、道具がない」
「設営とか大変そう…」
そんな人におすすめなのが、「手ぶらでキャンプ」プラン!
- 必要な道具は全部レンタルOK
- スタッフがテント設営をお手伝い
- 帰りの片付けも不要!
- オプションでバーベキューセットも注文可能!
ロープウェイの運行が終わった後の静かな高原でバーベキューをし、コーヒーを飲む。ふと夜空を見上げれば、山の中でしか見られない澄んだ星空が視界一杯に広がります。
暗闇の中、自分と世界の境界があいまいになり、降るような星空に意識が溶けていくような不思議な感覚を味わえるかもしれません。
美しい星空に時間を忘れて夜更かししても大丈夫。チェックアウトは11時までなので、いつもよりゆったりした朝を過ごせます。
(注意事項)
「ナイトクルージング」と「手ぶらでキャンプ」の実施時期は、天元台高原ホームページでご確認ください。
1件のホテルと、5件の個性豊かなペンション
天元台高原には通年営業の宿が全6件あるので、「ナイトクルージング」や「手ぶらでキャンプ」の予定がなくても気軽に泊まれます。
アットホームな雰囲気の宿で、静かな、でも賑やかな山の上の空気を堪能しませんか?
ホテル
ペンション
まだまだある 米沢の星空観測スポット
ほたると星の二重奏が楽しめる~小野川温泉~
市街地から車で20分ほどの場所にある歴史ある温泉街。
小野川温泉は、環境省認定の「ふるさといきものの里」にも指定された、ほたるの里。ほたるが住むということは、暗いということ。地上の星(ほたる)と天空の星を同時に楽しめる、日本でも数少ない贅沢な場所です。
日帰り入浴もできるので、ほたると星を楽しんだ後は、温泉につかっていくのはどうでしょう?
米沢の夜景と星、さらに朝日まで楽しめる~御成山公園~
こちらも市街地から車で20分ほどの場所にある高台の公園。春は千本の桜が楽しめるお花見スポットでもあります。
眼下には米沢市の夜景を眺めることができ、また、東向きのため朝日を見ることもできます。
夜明け前から星を楽しみ、そのまま朝日を楽しむ人もいますよ。
道が狭く、カーブが多いので大きな車で行く際はご注意ください。
星空って、見上げるだけでちょっと救われる
都会では味わえない、
“目が慣れるほどの闇”と“降り注ぐような星”。
スマホを置いて、ただ空を見上げる時間。
それは、忙しい毎日を忘れて、自分に戻る時間。
星空に包まれながら、ほんの少し強くなれる夜が、米沢にはあります。
さあ、星降る夜の冒険へ――。
更新日:2025年06月16日