最上川源流の清水で造る最高品質の日本酒

更新日:2025年07月28日

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あらゆる自然環境が日本酒造りに最適

最高の原料~米沢は雪解けのきれいな水が流れるまち~

山形県を流れる一級河川最上川。

米沢市は、最上川源流となる吾妻山の清らかな雪解け水が流れ込みます。

日本酒の原料は主に米と水。特に水は日本酒の約80%を占めます。また、良い米を作るには良い水が必要不可欠。上質な水が流れ込む米沢は、最高品質の原料がそろいます。

最高の環境~冬の澄んだ空気の中で長期間の発酵~

雪に包まれる米沢の冬。

日本酒の特徴である雑味がないスッキリとした飲み口は、長期間の低温発酵により生まれます。

また、空気中の水蒸気やちり・ほこりなどが少ない澄んだ空気の中での冬の日本酒造りは、雪国の特権です。

冷房での日本酒造りには真似できない天然仕込みが、日本酒を洗練させます。

 

個性あふれる3つの蔵元

米沢市には現在、3つの蔵元があります。

どれも個性豊かな蔵元。お気に入りの蔵元を見つけてみてください。

日本で13番目に長い歴史のある蔵元~小嶋総本店~

小嶋総本店の外観の画像

「東光」の銘柄で知られる、日本に現存する蔵元で13番目に長い歴史を持つ小嶋総本店。上杉家御用酒屋でもあった小嶋総本店は、江戸時代に起きた米不足のときですら、貴重な米を使った酒造りを許されました。伝統を守りながらも、時代の変化に適応し、420年以上も酒造りを続けています。

2024年には、世界最大規模のワインコンクールであるIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)の日本酒部門で、純米大吟醸の部454銘柄中第1位を獲得しました。

日本酒を名乗るなら、日本の米だけで酒を造りたい

甕仕込みの様子

小嶋総本店のこだわりの1つが、国産素材だけを使った純米酒のみを生産すること(全量純米酒)。

日本酒は大きく分けると、米・麹・水だけで造る「純米酒」と、そこに醸造アルコールを添加するお酒の2種類があります。

醸造アルコールは主に東南アジアや南米のサトウキビを原料とした輸入原料。

現在の蔵元は「日本酒を名乗るからには、日本の米だけで酒を造りたい」との強い思いを持ち、10年かけて全量純米酒に転換しました。全量純米酒として、国産原料だけを使うことで地域性・文化性の高い酒造りを行っています。

また、創業当時の製法「甕(かめ)仕込み」に原点回帰した酒も造っています(上記画像)。現在主流のステンレスタンクでは味わえない土の風味や、甕に生息する微生物による複雑な味わいを楽しめます。

持続可能性(サステナビリティ)への取り組み

伝統を守りながらも、時代に合わせた取り組みにも余念がありません。

エコやサステナビリティへの革新的な取り組みも国内外で評価されています。

【エコやサステナビリティに関わる主な受賞歴】

THE DRINKS BUSINESS GREEN AWARDS 2023

  • Green Launch of the Year 部門最優秀賞
  • Renewable Energy Implementation Award 部門最優秀賞

第7回エコプロアワード(エコプロアワード2024)優秀賞

受賞には、2つの取り組みが評価されました。

1.酒粕発電

酒造りで生まれる酒粕をバイオガス発電所に引き渡し、その電力で酒造りをするという循環を作り出しました。酒造りに使う電力の大半を、この電力でまかなっています。

2.太陽光で動く自動抑草ロボット

太陽光発電で動くロボットを水田に放ち、ロボットが水田の泥をかき混ぜることで雑草が生えにくい環境を作ります。有機栽培につながるだけでなく、地球温暖化の一因とされるメタンガス抑制効果もあるとされます。また、ロボット農業は農業人口減少対策につながる点も評価されました。

朝日が昇る方角の酒

代表銘柄「東光」は「米沢の日の出」を意味します。米澤城(現:上杉神社)の南東、日の出の方角に位置する、日が昇る方角で醸されるお酒です。

 

伝統に囚われない自由な酒造り~新藤酒造店~

新藤酒造の醸造所

現在の蔵元は、小学校3年生のときから酒造りの手伝いをしていました。子どもながらに感覚で酒造りを覚え、大学では醸造を理論的に学びました。

大学時代は酒造りの知識だけでなく、同じく造り酒屋の学友と酒を飲み比べるなど、舌でも日本酒造りを学びました。

米沢に戻り酒造りを始めてから2年目で「伝統に囚われず、自分が作りたい酒を造りたい」と新酒造りを始めました。

天領でとれる良質な自社栽培米を使った酒

麹米の画像

新藤酒造の醸造所の周辺はかつての天領(江戸幕府直轄地)で、米沢の中でも良質な米ができる場所。ここで酒造好適米「出羽燦々(でわさんさん)」を自社栽培し、吟醸酒造りを開始。

これが、看板商品の1つ「雅山流(がさんりゅう)」になりました。

米の個性を残す酒造り

日本酒において、酒の個性を決める重要な要素が「精米歩合(玄米から米の表面を削ったあと残った割合)」。精米歩合が高い(米の外側が残っている)と、米本来の味が残り、精米歩合が低い(米の外側を削っている)と雑味がないスッキリした味わいで香り高い日本酒になると言われます。

新藤酒造が造る酒のうち「裏・雅山流」シリーズは精米歩合を70%と高くし、酒の個性を残す酒造りをしています。

毎年違う配合

新藤酒造では、同じ銘柄でも一度として同じ配合で作ったことがありません。その年によって配合を変え、毎年変化を加えています。

日本酒はワインのようにヴィンテージ(収穫年)の考えがありませんが、生産年によって違う味を楽しむのも面白いかもしれません。

信頼できる専門店のみで販売

酒造りだけでなく、販売方法にもこだわりがあります。

適切な品質管理をしてほしいとのこだわりから、取引先を限定しています。冷蔵保存はもちろん、酒質の説明ができることや、一部のシリーズは特約を交わさないと販売ができなくなっています。

取扱い店舗の詳細は、新藤酒造のホームページをご確認ください。

 

ずっと一緒に過ごせる、飽きない酒造り~香坂酒造~

香坂酒造の店舗と醸造所

目指す酒は”いつもそばにあって飽きない酒”。その時代に求められる酒の味に合わせて造るのではなく、香坂酒造の味が好きなファンを大事にした酒造りを心がけています。日本酒を楽しく買える場所をお客様と作り上げたいとの思いが詰まった、直売所を醸造所の隣にオープンするなど、蔵元の顔が見えるお店です。

洗米からラベル貼りまですべて手作業

香坂酒造の特徴は、手作業へのこだわり。仕手米を素手で洗うところから、最後のラベル貼りまで、全ての工程が職人の手作業。

米沢という酒造りに最適な環境と職人の技術に自信があるからこそ、機械に頼らない手作りを貫けます。

ファンを裏切らない・変わらない味

香坂酒造の酒蔵の中

蔵元は、目指す酒の味わいを「芸能人に合うような一時的な喜び」ではなく「妻のようにいつまでも連れ添える味」と表現。手広く売るというよりは、ファンのお客様を増やして長くお付き合いするのが目指す姿です。

その思いが詰まった定番商品の「香梅(こうばい)」は、日本酒の香りとスッキリとした後味のバランスが良い食中酒として人気。

近年の日本酒の流行は、香りと甘味が強い日本酒で、「香梅」も味を変えたことがありました。しかし、味を変えたことに対してファンから味を変えないでほしいという問合せがありました。

造れないのではなく、造らない。芯を持った、ブレない酒造りが自慢の蔵元です。

ファンと一緒にwin-winの酒造り

香坂酒造は小さな蔵元だからこそのフットワークの軽さも持ち味。

飲食店の要望に応じて、オリジナルラベルや限定日本酒の販売もしています。

米沢のお気に入りのお店にも、香坂酒造の限定日本酒があるかも?

定番があるから、ユニークな酒も造れる

自分たちの酒造りを守ってはいますが、決して保守的ではないのが香坂酒造です。

  • もち米をワイン酵母で発行させ18年間熟成させた古酒
  • 直汲み(絞った酒をタンクに移さずそのまま瓶詰)
  • しぼりたて生酒を瓶詰して、-30℃で一気に凍らせた冷凍貯蔵酒

などなど、ブレない酒造りとユニークな酒造りを両立させています。

蔵元の顔が見える直売所

香坂酒造の直売店内

「新たなワクワクする日本酒や楽しめるショッピングができるお店をお客様と作り上げていく蔵元直売所」をコンセプトに2022年にオープン。

1月には、直売所だからできる直汲み新酒の販売も行っています。搾りたてを販売するため、絞ったその日に購入者に連絡します(要予約)。

 

ふるさと納税で米沢のお酒を味わう