職業体験・自由研究・課外学習にぴったり!ものづくりの秘密を探検"360°よねざわオープンファクトリー"

更新日:2025年08月28日

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色とりどりな米織の糸

360°よねざわオープンファクトリー|完全ガイド

見て・作って・話して、わくわくが止まらない3日間。工場は、学びの遊園地だ!本ページは小学生〜大学生のための超わかりやすい参加ガイドです。予約のコツ、当日の動き方、学年別おすすめルート、自由研究・レポート化のヒント、保護者・先生向けメモまで、ぜんぶここにまとまっています。

1. 360°よねざわオープンファクトリーって何?

工場内部を見学する人たち

360°よねざわオープンファクトリーは、米沢市内の工場・工房・研究機関などが期間限定で公開され、見学はもちろん、実際に手を動かす体験や、職人・エンジニアとの対話ができるイベントです。

学校の教科で学ぶ知識(理科・美術・技術・情報・家庭科など)が、現場でどう使われているかを体感できます。

小学生から大学生まで、家族でも友だち同士でも、ひとり参加でも楽しめます。

2. “ここがすごい”10のポイント

  1. 五感で学べる:色、香り、音、温度、手触り――教室では味わえないリアルがある。
  2. 作って覚える:見学して終わりではなく、自分の手を動かす体験がたくさん。
  3. 質問しやすい:現場の人が近い。素朴な疑問にも丁寧に答えてくれる。
  4. 分野が幅広い:染織、木工、印刷、発酵・醸造、研究施設、大学連携など多彩。
  5. 進路のヒント:仕事道具やプロセスを間近に見られ、職業理解が進む。
  6. 自由研究の宝庫:観察→仮説→実験→考察の流れを現場で回せる。
  7. 地域とつながる:米沢の資源や歴史、産業の今がわかる。
  8. 周遊しやすい:最終日限定の循環バスを使えば効率よく複数スポットを回遊可能。
  9. 成果が残る:作った作品や、現場で撮ったメモ・写真が学びの記録に。
  10. 誰でも楽しめる:ものづくり好きはもちろん、初心者でも“まずやってみる”でOK。

3. 体験できること

開催年により内容は変わりますが、代表的なプログラムの例を紹介します。各プログラムには対象年齢や定員、所要時間、料金、予約の要・不要があります。参加前に公式情報をご確認ください。

染織・テキスタイル

棚に入った米織の糸束

藍染や絞り染め、織りの実演や体験。糸の素材や撚り、染料の化学、柄の作り方など、理科と美術がクロスする分野です。バンダナや小物の制作は自由研究の題材にもピッタリ。色の濃さの違い(浸漬回数や時間)を変えて実験すれば、比較データが取れます。

木工

木工体験の様子

広葉樹の特徴、加工の順序、工具の種類と安全な扱い方を学びながら、小物づくりや仕上げ研磨、塗装の体験へ。木目の向きや含水率の違いは、完成品の強度や手触りに影響します。素材選びの理由を職人さんに聞くのも学びのポイントです。

印刷・デザイン

DTP(データ作成)から出力、加工、検査までの一連の流れを現場で見られます。紙の種類やインキ特性、色管理(カラーマネジメント)、製本・パッケージの設計など、情報科・美術・数学(寸法設計)とつながる知見が満載。自分のデザインがどう“モノ”になるのかを理解できます。

発酵・醸造

香坂酒造の酒蔵で説明する様子

米・水・麹・酵母が出会い、時間と温度で味が変化していくプロセスを見学。発酵槽の温度管理、香りの変化、微生物の働きなど生物学の知識が現場で立体化します。未成年は試飲はできませんが、発酵の観察・香りの違い・器具の仕組みを学ぶだけでも大きな発見があります。

大学・研究機関・試験場

大学のプロジェクト展示や試験場の設備公開は、将来像を考えるうえで貴重な機会。話題の生成AIやAR/VR技術をはじめ、新素材、環境配慮の試験、3Dプリンタや測定装置のデモなどが見られることも。専門用語に出会ったら、その場で質問して用語集を作るとレポートが格段に読みやすくなります。

4. 学年別おすすめルート(半日/1日/バス活用)

小学生&ファミリー(体験・経験)

半日コース:藍染バンダナづくり → 展示見学。体験の待ち時間に、染料の色の変化を親子で観察してメモ。
1日コース:午前:藍染 or ねこけし絵付け/昼:地元ベーカリーで休憩/午後:木工の磨き体験 → 工場の安全ルールクイズ。
学び:「手で作る」「匂いを感じる」「音を聞く」を言葉で表現する練習。低学年は写真+一言コメントでレポートの練習にもなります。

中高生(探究・比較観察)

半日コース:印刷工場でワークフロー見学 → テキスタイル現場で素材比較。
1日コース:午前:印刷・パッケージ/昼:メモ整理 → 仮説立て/午後:木工→発酵。
学び:「なぜこの素材/この設備?」を質問し、選定理由・コスト・環境配慮をメモ。仮説を立て、異なる現場で検証します。

大学生(ポートフォリオ・研究志向)

半日コース:大学連携展示でケーススタディ → 工場で現実実装の条件確認。
1日コース:午前:展示リサーチ/昼:担当者インタビュー(許可を取り、録音はルールに従う)/午後:製造現場でプロセス追跡。
学び:「試作→量産」の壁、品質保証、サステナブル設計の実際を把握。自分の研究テーマに引き寄せてメモします。

循環バス活用(最終日限定)

周遊バスのルートと時刻を事前に把握し、「見学30分+移動20分」を基本単位に。欲張りすぎず、体験は1〜2本に絞ると満足度が上がります。人気回は定員が埋まりやすいので、午前中に予約済みの体験を先に片付け、午後は見学中心に組むのがコツです。

5. 自由研究・探究・ポートフォリオ化のコツ

(1)観察のフレームワーク

次の5点をテンプレート化しておくと、どの現場でも応用できます。「目的/材料・道具/手順/結果/考察」。事前にノートに枠だけ作り、当日はキーワードを書き込み。帰宅後に清書すれば、提出物の質がぐっと上がります。

(2)比較の視点

同じ“色”でも染料や紙質で発色が違う、同じ“木”でも樹種で香りや硬さが違う、同じ“印刷”でも用途でインキが違う――「共通点」と「相違点」を並べるだけで、レポートが読みやすくなります。写真は“手元のアップ”と“全体の装置”の2枚組が便利です。

(3)数値化の工夫

時間、回数、温度、重さ、寸法、コスト、歩数など、何でも数値化してみましょう。たとえば染色の浸漬回数と色の濃さを簡易スケールで記録すれば、グラフ化できます。木工ではヤスリの番手と仕上がりの手触りを比較。印刷では紙の連量と曲がりやすさの関係を観察します。

(4)インタビューのコツ

質問は“Why(なぜ)”から始めると深くなります。「なぜこの設備を選んだのですか?」「なぜこの素材が地域に合うのですか?」。最後に「今日一番伝えたいことは?」を聞くと、まとめの言葉が手に入ります。録音・撮影は各会場のルールを必ず守り、個人情報や機密に配慮してください。

(5)ポートフォリオの組み方

表紙(タイトル・日付・テーマ)→ 背景(なぜこの現場を選んだのか)→ 観察と写真 → 考察と仮説 → 次の挑戦(今後やってみたいこと)。最後にイベント名と会場名、担当者への謝辞を書き添えると、読み手の印象がグッと上がります。

6. 準備チェックリスト&安全ガイド

持ち物チェック

  • 歩きやすい靴(工場は段差・金属床があることも)
  • 汚れてもOKな服(染めや木工の体験がある場合はエプロン推奨)
  • メモ帳・ペン、スマホ(オフラインでも見られる地図の保存)
  • 水筒・タオル・ウェットティッシュ
  • 小銭・交通系IC・身分証(学生証)
  • 予約確認画面のスクリーンショット

安全ガイド

  • 指示がある場所では必ずヘルメットや保護具を着用します。
  • 黄色や赤色のラインより内側は立ち入らない、機械に手を入れない。
  • 撮影禁止サインに注意。SNS投稿の際は写り込み(個人情報・機密)に配慮。
  • アレルギーがある人は事前に申告。発酵現場は香りが強いので体調に注意。

7. 予約〜当日の動き 5ステップ

  1. 公式ページで一覧をチェック:やりたい体験を選んで、対象年齢・定員・料金を確認。
  2. 時間割を作る:見学30分・体験60〜90分・移動20分を目安に、無理のないルートを設計。
  3. 予約:事前予約が必要なものは必ず予約する。
  4. 当日受付:駐車台数が限られるので、車で来る人は時間に余裕を持って到着。
  5. 振り返り:帰り道で3点(今日の学び・驚き・次に試したいこと)を口頭でまとめ、家に着いたらノート化。

8. アクセス&市内移動のヒント

新幹線や高速バスで米沢へ。市内は徒歩・路線バス・タクシーに加え、最終日限定の循環バスが便利です。バスは本数が限られるため、出発前に時刻を確認し、次の移動手段を常に1つ“予備”として想定しておくと安心です。複数会場を回る場合、片道移動に思ったより時間がかかることがあるため、欲張りすぎない計画が満足度を上げます。

9.昨年度までの参加者の声

「藍染って絵本の世界だと思ってたけど、目の前で布の色が変わる瞬間に立ち会って鳥肌!」(小学生)

「印刷工場で“データが紙になる”プロセスを初めて見た。ミリ単位の精度と人の勘、両方が必要なんだ」(中学生)

「研究の展示は“理想”、工場は“現実”。その距離を測る視点を学べたのが一番の収穫」(大学生)

10. よくある質問(保護者・先生向けを含む)

Q1. 小学生だけでも参加できますか?

会場によっては保護者同伴が必要です。対象年齢・安全ルールを事前に確認してください。低学年は体験の待ち時間が長いと疲れやすいため、見学中心の組み立てもおすすめです。

Q2. ひとり参加でも大丈夫?

スタッフが案内します。初めての人はまず見学プログラムから始めると安心。気に入ったら体験に進みましょう。

Q3. 写真や動画は撮れますか?

会場ごとのルールに従ってください。機密や個人が特定できる映り込みには配慮を。SNSはハッシュタグで盛り上げよう。

Q4. 費用はどのくらい?

無料と有料が混在します。材料費がかかる体験もあります。現金とキャッシュレスの両方を準備すると安心です。

Q5. 学校の授業や探究活動と連携できますか?

事前に先生が目的と評価観点を共有すると連携しやすくなります。生徒は観察記録テンプレートを持参し、帰校後に発表会を行うと学びが定着します。

11. サンロク隊(ボランティア)って?

運営サポートをしながら、現場の“超近い距離”で学べるプログラム。受付・誘導・記録・SNS発信などを担当することがあります。高校生・大学生の地域活動やキャリア探究に最適。チームで動くため、コミュニケーション力や段取り力が鍛えられます。応募条件や説明会の有無、活動時間・証明書の発行可否などは公式案内をご確認ください。

12.ここから始まるあなたのものづくり

工場は静かに見ているだけの場所ではなく、質問が歓迎される“オープンな教室”。目の前で起きる変化に「どうして?」とつぶやくと、そこから会話が生まれ、学びが始まります。たった1回の体験が、将来の進路や好きの方向を変えることもあります。最初の一歩は、参加すること。次の一歩は、現場で「教えてください」と言うこと。三歩目は、家に帰って振り返ること。ここから君の“つくる物語”が動き出します。

さあ、米沢で世界をひらこう。