市立病院建替特別委員会 平成27年度調査結果の概要
平成28年3月定例会
市立病院建替特別委員長報告
平成28年3月24日(報告)
市立病院建替特別委員会、並びに同委員会協議会における調査及び活動等の概要をご報告するとともに、委員会としての所見を申し上げます。
当委員会は、米沢市立病院の建替えにあたり、病院機能の幅広い検討を行い、多額の建設費用への対応などについて、まちづくりの視点を持ちながら調査・研究を行い、議論を進めるため、平成26年6月に設置され、昨年の議員改選後の5月臨時会において再設置されたものです。
当委員会は、昨年の5月から今日までに、市当局と5回の協議を重ねてまいりました。
また、昨年11月には、調査・研究の一環として、新潟県立新発田病院の視察を実施いたしました。
本日は、市当局との協議及び調査・研究活動の主な内容について、ご報告いたします。
まず、6月に開催した委員会では、当局から、「市立病院建替基本計画(案)の中間とりまとめ」について、報告を受けました。
委員から、新病院へのヘリポート設置の考え方について、救急患者の対応などについて、質疑がありました。
これに対し当局から、財政的に負担も大きいことからヘリポートは設置せず、既存のヘリポート等からの離発着を想定している、との答弁がありました。
また、救急患者の対応については、現在の常勤医師数を考えれば、現状維持が精一杯であり、他病院や平日夜間・休日診療所と連携を取りながら、対応してまいりたい、との答弁がありました。
次に、7月に開催した協議会では、病院内を見学し、老朽化した施設の状況を確認するとともに、当局から、一般的に病院を建設する場合のスケジュールについて、ヘリポートを設置する場合の概算工事費などについて報告を受け、その後、市立病院職員と意見交換を行いました。
次に、9月に開催した委員会では、当局から、平成27年度の経営状況と病床利用率について、報告を受けました。
次に、11月17日には、新潟県立新発田病院の視察を実施いたしました。
病院を移転・新築した経緯や経営状況を伺い、医師の確保対策等について、情報交換を行ったところです。
また、病院内に、コンビニやカフェなどが設置され、街並みのような雰囲気が醸し出された、ホスピタルモールを見学させていただきました。
次に、12月に開催した委員会では、冒頭、渡邊病院事業管理者から就任の挨拶をいただきました。その挨拶の中で、精神科の医師確保が困難なため、来年度から、入院・診療の継続は厳しく、外来診療についても、最終的に休止せざるを得ない状況が想定される、との報告がありました。
委員から、精神科の外来患者数、入院患者数及びその対応について、市立病院建替基本計画への影響についてなど、質疑がありました。
これに対し当局から、現時点で、外来患者数がデイケアを含め約1,500名、入院患者数が約30名おり、病状が安定している患者を中心に、状況を詳しく説明し、他病院の紹介、転院手続を進めている、との答弁がありました。
また、市立病院建替基本計画への影響については、基本計画案は、精神科と精神病床を設置することを前提に、策定を進めてきたところである。全体の病床数や外来診療科の構成、救急医療の対応についても、再度考え直す必要があり、基本計画への影響は大きいと考えている、との答弁がありました。
次に、17日に開催した委員会では、当局から、市立病院建替基本計画策定の一時中断について、報告を受けました。
その内容として、基本計画の策定については、今年度中の完成をめどに進めてきたが、精神科の一件によって状況が変わってきた。それを受け、予定どおりの取りまとめが困難になり、一時中断せざるを得なくなった、とのことであります。
委員から、市立病院建替基本計画は、新年度に、改めて策定するとのことでよいか。また、精神科の方向性がはっきりしなければ、基本計画の策定は進めようがないとの認識でよいか、との質疑がありました。
これに対し、当局から、まず、精神科の問題が病院全体の収支に、どのように影響するのかを見極めなければならない。新年度は、その影響を精査し、新しい公立病院改革プランの策定をする中で、基本計画の見直しに取り組んでいかなければならない、との答弁がありました。
また、委員から、精神科の問題が解決せずに、このままの状態が続いた場合、他の診療科が弱体化していくことにつながらないような対応を求める、との要望がありました。
当委員会としては、この基本計画策定の一時中断を受け、緊急の場合を除き、当面の間、委員会協議会を開催せず、各定例会における委員会の開催とすることを決定いたしました。
結びに、当委員会の所見を、一言申し上げます。
ご承知のとおり、昨年12月に明らかになった、市立病院精神科の休止問題は、外来・入院患者ばかりでなく、その家族や、多くの市民に不安を募らせる結果となりました。その背景には、全国的な医師不足がありますが、米沢市立病院は、置賜二次医療圏の中核的な医療機関の一つとして、優秀な人材を確保しながら、地域医療を守っていかなければなりません。
一方で、先にも述べましたが、昨年7月には、改めて、市立病院内外の状況を確認させていただきました。建物、設備ともに、老朽化は著しく、耐震についても不安があることから、建て替えが待ったなしの状況は、言うまでもありません。
当委員会の総意として、市民の安心・安全のために、精神科の休止問題も含め、様々な課題等を乗り越え、一日も早い建替基本計画の完成と、建設場所の決定を強く望むものであります。
最後になりますが、当委員会は、次年度においても、市当局、病院当局及び関係機関とも連携を図りながら、引き続き努力してまいります。
市民の皆様、議員各位に、ご理解と、ご協力をお願い申し上げ、委員長報告といたします。
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更新日:2024年03月29日