市立病院建替特別委員会 平成26年度調査結果の概要
平成27年3月定例会
市立病院建替特別委員会委員長報告
平成27年3月24日(報告)
市立病院建替特別委員会、並びに同委員会協議会における調査及び活動等の概要につきましてご報告するとともに、委員会としての所見を申し上げます。
当委員会は、米沢市立病院の建替えにあたって、病院機能の幅広い検討、また、建設に要する多額の費用の対応などについて、まちづくりの視点を持ちながら調査・研究を行い、建て替えに向けた議論を進めるため、平成26年6月定例会において設置されたものです。
次に、当委員会における調査及び活動等の内容についてご報告いたします。
平成26年6月の設置から今日までに、当委員会では、意見交換会を含め市当局と6回の協議、また宮城県大崎市民病院及び国立病院機構米沢病院の視察、さらには米沢市医師会との意見交換会等を開催してまいりました。
当局との協議のうち、主な内容をご報告いたします。
まず、7月に開催した協議会では「市立病院建替基本構想」をテーマとし、主な質疑として、病床数、建設場所、財政シミュレーション等がありました。これに対し当局から、今後の人口予測、置賜二次保健医療圏として担うべき急性期医療、総合病院としての役割から病床数を計画しているとの答弁がありましたが、建設予定地については未定であり、また、財政シミュレーションについては大まかなものはあるものの、建設期間や場所によって様々に変わることから、まとまった上で建設場所を示したいとの答弁でありました。
次に、8月に開催した協議会では「地域医療ビジョン」をテーマとし、主な質疑として、病床機能報告制度の状況、県が策定する地域医療ビジョン、県による医療機能分化・連携についての指導強化、市立病院建替に対する影響等がありました。これに対して当局から、基本構想において将来の人口予測を加味しながら病床数を削減しているので、大きな影響はないと考えるが、今後の動きを注視したいとの答弁がありました。
次に、9月に開催した委員会では「現地建替えの場合の比較」をテーマとし、三つの案が示され、新たな用地取得の費用等は掛からないものの、長期にわたる工期や多額になる建設費などが示されました。これに対して委員から、施設の老朽化、医業収益への影響等を勘案しても現地建替えは現実的ではないとの意見が多く出されました。
次に、12月に開催した委員会では「まちづくりの観点からの市立病院の建て替えについて」をテーマとし、主な質疑として、都市機能としての病院、インフラの整備、補助金のメニュー等がありました。これに対して当局から、病院は吸引力のある都市機能施設であり、それをいかしたまちづくりをしていかなければならないが、費用面や財源などのバランスを考慮していかなければならないとの答弁がありました。
次に、1月に開催した委員会では「ワーキンググループの検討項目」をテーマとし、入院や外来など、十六部門に分けた市立病院内部の検討委員会において話し合われた内容や項目の報告を受けました。
次に、3月に開催した協議会では「病床利用率」をテーマとし、主な質疑として、新病院で想定する利用率、現病院の利用率が低い原因、常勤医師がいない診療科に対する手立て、医師、看護師確保に向けた本市の考え方等について質疑を行いました。当局から、医師一人あたりの入院患者数が、他病院と比較しても多く、限界があること、常勤医師が不在の診療科では、医師を確保し、できるだけ地元で治療できるようにしていきたいと考えているなどの答弁がありました。
次に、調査及び活動について主な内容を報告します。
10月に実施した、大崎市民病院の視察では、平成26年7月に開院した新病院を見学させていただくとともに、現地建替えから移転新築となった経緯、事業費、補助金の状況、医師・看護師の確保の状況などの意見交換を行いました。
また、3月には、国立病院機構米沢病院の視察を実施し、新病棟の見学とともに米沢病院の現状や地域医療とのかかわりなど意見交換を行い、さらに、米沢医師会との意見交換会を開催し、建設場所や将来の人口動態を見据えた病院機能の分担、地域医療との連携についてなど幅広く意見をお聞きしました。
結びに、昨年6月の特別委員会設置以降、このような調査・活動を行ってまいりましたが、当委員会の設置目的の一つである、まちづくりの視点からの建て替えを議論するうえで、最も根幹となる建設場所の決定については、最後まで示されることなく、今年度中に示される予定であった基本計画(案)も次年度に先送りされることとなりました。
老朽化した市立病院の建て替えは待ったなしの状況であることから、当委員会として一日も早い建設場所の決定を強く望みます。
次年度以降、建設予定地が決定されれば、基本計画(案)も公表され、実施設計、建設と本格的に市立病院の建て替えが進んでまいります。さらに、本市においては、財政難の課題に直面しており、市立病院の建て替えには、他にインフラ整備も含め多額の費用を要することや将来の人口減少における置賜二次保健医療圏で果たすべき役割、医師看護師の確保に向けた対策など、ますます議論が必要となってまいります。
次期においても、引き続き市議会全体として当局側と議論を重ね、市民のためのより良い病院づくりの努力を続けることを望み、委員長報告といたします。
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更新日:2024年03月29日