審査の概要 令和7年6月定例会(民生常任委員会)
令和7年6月定例会
令和7年6月定例会
民生常任委員会 委員長報告
令和7年6月19日 開会
令和7年6月27日 報告
ご報告申し上げます。
去る6月10日の本会議におきまして当委員会に付託されました案件は、議案3件、請願1件であります。
当委員会は、議会日程に従い、19日の午前10時から、委員会室において、全委員出席の下、病院事業管理者及び関係部課長並びに請願審査においては参考人及び紹介議員に出席を求め、開会いたしました。
以下、審査の経過と結果をご報告申し上げます。
初めに、『議第57号 米沢市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について』でありますが、本案は、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準の一部改正に伴い、所要の改正を行おうとするものであります。
本案については、質疑もなく、意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、『議第58号 米沢市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について』でありますが、本案は、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部改正に伴い、所要の改正を行おうとするものであります。
本案については、質疑もなく、意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、『議第59号 米沢市立病院使用料及び手数料条例の一部改正について』でありますが、本案は、分娩管理料の上限額を改定しようとするものであります。
本案に対し、委員から、分娩管理料の上限額の改定は無痛分娩料の引上げを伴うものであるが、この引上げの理由は何かとの質疑があり、当局から、現行の料金では、かかった費用を賄うことができず、また、近隣の病院の料金との均衡を図るため引き上げるものであるとの答弁がありました。
また、委員から、本市の出生数が急減しているが、この危機的な状況をどのように考えるかとの質疑があり、当局から、少子化対策については、子育て支援部門だけではなく、全庁を挙げて対策を検討しなければならないと考えているとの答弁がありました。
さらに、委員から、無痛分娩料が引上げとなり、経済的負担が増すが、今後は、こういった点も含めて、出生数の減少に対する全庁的な対応が迫られると思うが、どのように受け止めるかとの質疑があり、当局から、全庁的に対策を講じなければ進まない事業であり、子育て支援部門では、経済的負担の軽減と子育てに関する負担感の軽減の二本立てで考えなければならないと認識している。次期総合計画の策定においても十分に議論していきたいとの答弁がありました。
また、委員から、市立病院での無痛分娩の件数と、分娩数全体に対する無痛分娩数の割合、また、無痛分娩の場合の出産費用はいくらかとの質疑があり、当局から、令和6年度は全体の分娩数は233件、無痛分娩数は28件で、分娩数全体に対する割合は12%であった。また、無痛分娩の場合の出産費用は、正常分娩の費用50万円に現行の無痛分娩料5万円を加え、平均約55万円であるとの答弁がありました。
さらに、委員から、改正条例の施行日が9月1日であり、約2か月後に無痛分娩料が値上げされる。周知期間としては短いと考えるがどうかとの質疑があり、当局から、無痛分娩料を規定する条例施行規程の施行日も9月1日と考えていたが、委員のご意見を受け、規程の施行日を遅らせる、または、経過措置を設けるなどの対応を検討していきたいとの答弁がありました。
また、委員から、これまで分娩管理料の上限額である26万円に収まらなかったのは具体的にどのような場合があるか。また、その場合は市立病院が負担していたのかとの質疑があり、当局から、分娩管理料は条例で双子以上の場合や、診療時間外、深夜及び休日の場合は加算すると定めており、当院が負担することはないとの答弁がありました。
さらに、委員から、無痛分娩を始めた際に分娩管理料の上限額を引き上げなかったのはなぜかとの質疑があり、当局から、当院で令和2年4月に無痛分娩を開始した際の無痛分娩料は3万円であり、その後令和3年11月に5万円に上げたが、その時点でも分娩管理料の上限である26万円以内に収まっていたため、これまで条例の改正は行ってこなかったとの答弁がありました。
次に、委員間討議では、委員から、無痛分娩料の値上げについては、これから市立病院にかかる妊婦には丁寧に説明し、今かかっている妊婦にはこれまでどおりの対応ができないかと思うが、この点について、ほかの委員の認識を伺いたいとの申出がありました。
これに対して、委員から、9月から急に経済的負担がかかるような状況は避けていただきたく、丁寧な対応が必要であるとの考え。
現在、市立病院にかかり出産を予定している方については、一定程度の経過措置はあったほうがよいとの考え。
市立病院で9月以降に出産を予定している方のうち、無痛分娩を希望している方がどれほどいるかによっては、約2か月の周知期間が短いとは一概には言えないのではないかとの考えが示されました。
また、委員から、「母になるなら米沢市」というスローガンと整合性のある条例改正が必要だと考えるが、この点について、ほかの委員の認識を伺いたいとの申出がありました。
これに対して、委員から、子育て支援策全体としては、無痛分娩の費用を支援することは優先度が低いと思われ、無痛分娩の医療体制を今後も持続させるためには値上げも一定程度必要との考え。
出生数が上がるような政策が必要だと思うが、無痛分娩ができる万全な体制を維持していくことが大切であるとの考え。
市立病院の経営は厳しい状況であり、無痛分娩の体制に加え、子育てするなら米沢市と言えるような制度設計を求めていきたいとの考えが示されました。
本案については、意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、『請願第1号 米沢市を医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージの「重点医師偏在対策支援区域」に選定することを求める意見書提出方請願』についてでありますが、本請願は、国が、人口減少よりも医療機関の減少スピードが早い地域などを重点医師偏在対策支援区域と設定し、診療所の継承や開業を支援するとしており、その選定は都道府県が行うとなっていることから、高齢化に伴う閉院が相次ぎ、今後医師不足が進行すると考えられる本市を重点医師偏在対策支援区域に選定することを求め、県に対して意見書を提出していただきたいとするものであります。
審査に先立ち、参考人から意見を聴取し、紹介議員から補足説明を受け、審査に入りました。
本請願に対し、委員から、本市において医師不足や医師の偏在が起きている原因をどう考えているかとの質疑があり、参考人から、山形県で医師が不足する要因として、山形大学医学部の卒業生が県内で勤務したり開業したりする状況になく、地元への定着率が低いことが挙げられる。また、小児科を例とすると、少子化で子供の数が減少している中で、人口の多いところに開業したいと思うのは当然であり、県内では開業控えが起こりやすいと思われるとの答弁がありました。
また、委員から、重点医師偏在対策支援区域は地域医療対策協議会で選定するが、その構成員に対し、本市の実情を伝える活動はしているのかとの質疑があり、参考人から、米沢市医師会としては、構成員である米沢市立病院長などと日頃から開業医不足や市立病院の医師不足などについて議論しており、協議会の場でも説明いただいているものと思っているが、これからも本市の実情を伝えていただくようお願いしていきたいとの答弁がありました。
さらに、委員から、重点医師偏在対策支援区域に選定されると、施設整備や地域への定着に対する支援が受けられるが、これによって実際に開業しようと思っていただけると考えているかとの質疑があり、参考人から、どのくらい効果があるかは分からないが、何かをしなければ開業医の減少が続くとの危機感で動いており、このような努力が結果につながるのではないかと考えているとの答弁がありました。
また、委員から、開業医に対して米沢市医師会で行っているサポートはあるかとの質疑があり、参考人から、年会費を2年間免除するとともに、入会費の徴収を1年間延期し、米沢市医師会に入りやすい条件を設定したとの答弁がありました。
さらに、委員から、重点医師偏在対策支援区域について、本市の取組として今後どのように進めていくのかとの質疑があり、当局から、このことは市の重要事業要望に上げており、県へ要望に行くこととしている。今後、市としても支援の体制を整えていきたいと考えているとの答弁がありました。
採決に当たっては、本市及び米沢市医師会としても、地域を挙げて、医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージのモデルとなるように取り組んでいくことが大切であり、今の本市の状況を考えると、一刻も早く診療所の数を確保し、維持向上させていくことが何よりも大切であると考えることから、本請願に賛成するとの意見がありました。
本請願については、全委員異議なく、採択すべきものと決しました。
以上、当委員会に付託されました議案3件、請願1件の審査の経過と結果を申し上げ、委員長報告といたします。
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更新日:2025年06月30日