第14回受賞作品
入賞入選作品
応募総数1,447点の中から最高賞の文化賞、部門賞、入選作品が決定しました。
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総評
昨年の募集中止による影響があったのかもしれませんが、全国各地からたくさんのご応募をいただきました。
年齢層がご高齢者と十代の若い方々が増えたのもこの度の特徴で、審査結果にそれが反映されているように思います。
作品を拝見しているなかで伝わってきたのは、コロナ禍という状況で、通常ならば出かけるお気に入りの撮影地に行くことができなかったなどの制約があったかもしれない、ということでした。しかし、その一方で、世情そのものを写しとろうとしたことがうかがえる作品も少なくありませんでした。「一期一会」。秋山庄太郎が大事にしていた言葉ですが、例えばシャッターチャンスはいつ訪れるかわかりませんから、カメラは手放せないといっていいでしょう。
今後ともたのしく撮影し、あなたならではの個性ゆたかな作品を拝見することができれば、と念じています。最後に、入賞入選された皆様にお祝い申し上げますとともに、ご応募くださいました皆様、主催者各位に感謝の意を表する次第です。
秋山庄太郎記念米沢市写真文化賞
- 審査員長 福原有一
- 審査員
- 友永詔三
- 秋元貴美子
- 田辺千勝
- 上野正人
文化賞(人物・スナップ部門)

「鯉流し」
谷野 隆(山口県山陽小野田市)
「防府市で行われた鯉流しの一コマです。鯉がからまない様に船頭さんがサオで調節しています。」(山口県防府市/令和元年5月4日撮影)
講評
写真家で秋山庄太郎とともに二科会写真部創立会員をつとめた畏友・林忠彦さん(1918年~1990年)ゆかりの周南市はこの市のお隣です。
山口県のほぼ中央部を南方に流れる一級河川「佐波川」(さばがわ)。防府市(小野地区)では、2008年からゴールデンウイークに「佐波川こいのぼりの川流し」略して「こいながし」が催されてきました。元々は川の中ではなく、空中を泳がせる企画であったものが、川幅が広かったためにうまくいかず、このスタイルになったとか。今年は残念ながら中止となりましたが、毎年、県内外からたくさんの観光客や写真愛好家の皆さんたちで賑わう風物詩ともなっています。
本作品は、鯉幟や吹流しの流れるさまや彩り、空を映し出す水面の色合いや紋様、それらの中に菅傘を被った船頭さんの操る木舟が心地よい配置になっています。ただ描写しただけではないすてきな仕上がりになっていると思います。
部門賞(花部門)
該当者なし
部門賞(自然・生き物部門)

「冬将軍がやってきた」
鳥居 秀行(山形県山形市)
「残り柿がまだたくさんなっているのに大雪が降り始めました。白の世界に柿色が目立ちます。」(山形県大石田町/令和元年12月5日撮影)
講評
秋山庄太郎は正月を米沢で迎えるため、クリスマスが過ぎる頃になると、お弟子さんか家族の運転する車で、愛犬を連れて米沢市松が岬にあるアトリエ(別荘)山粧亭にやってきました。囲炉裏で暖をとりながら、三々五々集まってくる米沢の写真愛好家の皆さんと、芋煮や郷土料理に舌鼓、写真談義を肴に、夜更けまで持ち寄った酒を酌み交わしました。そして、滞在中はフォトジェニックな「残り柿」の風景撮影もたのしみにしていました。
作品はやがて一面銀世界となっていくことを想像させられるとともに、勢いよく降る雪で柿がいつまで耐えられるかを考えさせるようなところがあります。柿の色と雪雲からかすかに透けて見える光が味わい深い効果をもたらしている印象です。
米沢賞(人物・スナップ部門)

「峠の売り子」
上野 貴道(福島県河沼郡湯川村)
「列車が入ってくると売り子は運転士に一礼して名物の力餅を買い求めるお客さんの対応をしていた。昔はどこでも見れた光景だったと思う。この文化はなくならないでほしいと思います。」(令和3年7月25日撮影)
講評
米沢駅から奥羽本線に乗って18分ほど、福島駅からは30分ほどの所にある峠駅。この無人駅停車中のわずか30秒内の「買い物」がしたくて、福島からは在来線で米沢に向かう審査員もいます。列車から売り子さんを見ることはあっても、売り子さんの側から入線してくる米沢発福島行きを見ることはあまりないのではないでしょうか。モノクロームであることが、レトロな効果とともに、時空を超えて心に染みてくるような雰囲気を醸し出していると思います。
入選作品10点(花部門)

「水面に咲く」
笹生 俊徳(山形県米沢市)

「初夏を彩る」
木村 文雄(新潟県新潟市)

「夜明のエンジェル」
秋篠 重仁(岩手県盛岡市)

「花美人」
新井 賢太郎(埼玉県さいたま市)

「白無垢」
藤田 有美(愛媛県今治市)

「花火」
石原 義之(神奈川県茅ケ崎市)

「空を見上げれば」
高橋 幸子(新潟県新潟市)

「シシウド咲く不動滝」
渡邉 隆(新潟県新潟市)

「蠢き」
阿部 雅彦(東京都中央区)

「寒花」
籏崎 充平(愛知県豊田市)
入選作品10点(自然・生き物部門)

「野分立つ」
渡辺 久子(新潟県新潟市)

「緑ささやく」
佐藤 泰子(群馬県桐生市)

「木沢の棚田」
瀬沼 功一(新潟県魚沼市)

「耳かざり」
佐藤 隆史(東京都清瀬市)

「何処へ」
高橋 克巳(山形県天童市)

「気嵐の中を進む」
山下 春樹(岩手県九戸郡軽米町)

「優雅なドレス」
伊藤 良一(神奈川県平塚市)

「オオワシ鷲掴み(ワシヅカミ)」
秋山 謙二(東京都江戸川区)

「相棒」
アピア ジェンニファ(東京都世田谷区)

「天の川と田園」
大島 市郎(福島県会津若松市)
入選作品10点(人物・スナップ部門)

「繋ぐ思い」
高橋 秀治(兵庫県神戸市)

「マルの街角」
仲程 梨枝子(沖縄県那覇市)

「赤いベンチ」
浜口 正雄(三重県志摩市)

「黄色い絨毯」
高橋 美紀(兵庫県神戸市)

「競走」
落合 万喜(静岡県静岡市)

「紅一点」
芝崎 静雄(愛媛県松山市)

「特別な夏の終わり」
小池 佳澄(愛媛県今治市)

「射」
藤松 政晴(佐賀県杵島郡白石町)

「一人」
山下 一成(東京都台東区)

「ふたり」
浅野 良(福島県福島市)
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更新日:2024年03月29日