第14回受賞作品

更新日:2024年03月29日

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入賞入選作品
 応募総数1,447点の中から最高賞の文化賞、部門賞、入選作品が決定しました。

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総評

 昨年の募集中止による影響があったのかもしれませんが、全国各地からたくさんのご応募をいただきました。
 年齢層がご高齢者と十代の若い方々が増えたのもこの度の特徴で、審査結果にそれが反映されているように思います。
 作品を拝見しているなかで伝わってきたのは、コロナ禍という状況で、通常ならば出かけるお気に入りの撮影地に行くことができなかったなどの制約があったかもしれない、ということでした。しかし、その一方で、世情そのものを写しとろうとしたことがうかがえる作品も少なくありませんでした。「一期一会」。秋山庄太郎が大事にしていた言葉ですが、例えばシャッターチャンスはいつ訪れるかわかりませんから、カメラは手放せないといっていいでしょう。
 今後ともたのしく撮影し、あなたならではの個性ゆたかな作品を拝見することができれば、と念じています。最後に、入賞入選された皆様にお祝い申し上げますとともに、ご応募くださいました皆様、主催者各位に感謝の意を表する次第です。

秋山庄太郎記念米沢市写真文化賞

  •  審査員長 福原有一
  •  審査員
    •  友永詔三
    •  秋元貴美子
    •  田辺千勝
    •  上野正人

文化賞(人物・スナップ部門)

菅傘を被った船頭の男性が操る木舟の水中下に、大きな鯉幟や吹流しが同じ方向に流れている鯉流しの写真

「鯉流し」
谷野 隆(山口県山陽小野田市)
「防府市で行われた鯉流しの一コマです。鯉がからまない様に船頭さんがサオで調節しています。」(山口県防府市/令和元年5月4日撮影)

講評

 写真家で秋山庄太郎とともに二科会写真部創立会員をつとめた畏友・林忠彦さん(1918年~1990年)ゆかりの周南市はこの市のお隣です。
 山口県のほぼ中央部を南方に流れる一級河川「佐波川」(さばがわ)。防府市(小野地区)では、2008年からゴールデンウイークに「佐波川こいのぼりの川流し」略して「こいながし」が催されてきました。元々は川の中ではなく、空中を泳がせる企画であったものが、川幅が広かったためにうまくいかず、このスタイルになったとか。今年は残念ながら中止となりましたが、毎年、県内外からたくさんの観光客や写真愛好家の皆さんたちで賑わう風物詩ともなっています。
 本作品は、鯉幟や吹流しの流れるさまや彩り、空を映し出す水面の色合いや紋様、それらの中に菅傘を被った船頭さんの操る木舟が心地よい配置になっています。ただ描写しただけではないすてきな仕上がりになっていると思います。

部門賞(花部門)

 該当者なし

部門賞(自然・生き物部門)

傾斜地や1本の木が立つ柿に雪が積もり、柿のオレンジ色と雪の白色に薄っすらと光が差し込んでいる淡い色彩の写真

「冬将軍がやってきた」
鳥居 秀行(山形県山形市)
「残り柿がまだたくさんなっているのに大雪が降り始めました。白の世界に柿色が目立ちます。」(山形県大石田町/令和元年12月5日撮影)

講評

 秋山庄太郎は正月を米沢で迎えるため、クリスマスが過ぎる頃になると、お弟子さんか家族の運転する車で、愛犬を連れて米沢市松が岬にあるアトリエ(別荘)山粧亭にやってきました。囲炉裏で暖をとりながら、三々五々集まってくる米沢の写真愛好家の皆さんと、芋煮や郷土料理に舌鼓、写真談義を肴に、夜更けまで持ち寄った酒を酌み交わしました。そして、滞在中はフォトジェニックな「残り柿」の風景撮影もたのしみにしていました。
 作品はやがて一面銀世界となっていくことを想像させられるとともに、勢いよく降る雪で柿がいつまで耐えられるかを考えさせるようなところがあります。柿の色と雪雲からかすかに透けて見える光が味わい深い効果をもたらしている印象です。

米沢賞(人物・スナップ部門)

駅のホームを歩く法被を着た売り子の哀愁漂う背中と、奥から電車が到着する様子の白黒写真

「峠の売り子」
上野 貴道(福島県河沼郡湯川村)
「列車が入ってくると売り子は運転士に一礼して名物の力餅を買い求めるお客さんの対応をしていた。昔はどこでも見れた光景だったと思う。この文化はなくならないでほしいと思います。」(令和3年7月25日撮影)

講評

 米沢駅から奥羽本線に乗って18分ほど、福島駅からは30分ほどの所にある峠駅。この無人駅停車中のわずか30秒内の「買い物」がしたくて、福島からは在来線で米沢に向かう審査員もいます。列車から売り子さんを見ることはあっても、売り子さんの側から入線してくる米沢発福島行きを見ることはあまりないのではないでしょうか。モノクロームであることが、レトロな効果とともに、時空を超えて心に染みてくるような雰囲気を醸し出していると思います。

入選作品10点(花部門)

長い茎と水面に浮かぶ葉の緑色の中に、2輪のピンク色の花が咲いている写真

 「水面に咲く」
 笹生 俊徳(山形県米沢市)

岩壁の間から月夜に浮かぶ小島が見え、手前にオレンジ色の花がひっそりと咲いている写真

 「初夏を彩る」
 木村 文雄(新潟県新潟市)

真っ暗な山並みを背景に薄紫色の空と同系色の花菖蒲群のコントラストが印象的な写真

 「夜明のエンジェル」
 秋篠 重仁(岩手県盛岡市)

薄暗い葉と水中をバックに淡い色鮮やかなピンク色の蓮の花が一凛浮かび上がっている写真

 「花美人」
 新井 賢太郎(埼玉県さいたま市)

黄金色の草原を背景に、中央に白色の彼岸花が1輪咲いている写真

 「白無垢」
 藤田 有美(愛媛県今治市)

真っ暗な背景をバックに、一束の紫色をした丸い花に微かな光が差し込んでいる写真

 「花火」
 石原 義之(神奈川県茅ケ崎市)

緑色の葉の先に咲く花と、曇天の空の色が溶け合っている写真

 「空を見上げれば」
 高橋 幸子(新潟県新潟市)

奥で細く流れる滝と、手前側で咲いているシシウドの花が妖艶に青白く浮かび上がった写真

 「シシウド咲く不動滝」
 渡邉 隆(新潟県新潟市)

畝っている緑色の茎と薄ピンク色の花が、僅かな光が差す真っ黒な背景をバックに浮かび上がっている写真

 「蠢き」
 阿部 雅彦(東京都中央区)

薄黄色の小花が、上から垂れ下がった氷柱に透きとおり幻想的な写真

 「寒花」
 籏崎 充平(愛知県豊田市)

入選作品10点(自然・生き物部門)

曇天の空と、枯草が広がる場所に大きな樹木が一本そびえ立っている写真

 「野分立つ」
 渡辺 久子(新潟県新潟市)

木の幹がすらりと伸びた樹木が続く林が薄く霧がかっている写真

 「緑ささやく」
 佐藤 泰子(群馬県桐生市)

オレンジ色と青色のグラデーションがかかった空と、水が張った棚田を撮った写真

 「木沢の棚田」
 瀬沼 功一(新潟県魚沼市)

お地蔵様の耳を緑色の大きなカマキリが歩いている様子を近くから撮った写真

 「耳かざり」
 佐藤 隆史(東京都清瀬市)

たくさんの彼岸花が並んで咲いており、一匹の蝶が花の上を飛んでいる写真

 「何処へ」
 高橋 克巳(山形県天童市)

海面から立ち上がる霧の上を一隻の船が進んでいく様子を撮った写真

 「気嵐の中を進む」
 山下 春樹(岩手県九戸郡軽米町)

身体がきれいな白色をしているクジャクを後方から撮った写真

 「優雅なドレス」
 伊藤 良一(神奈川県平塚市)

口ばしと爪がオレンジ色をしたオオワシが海面の上を飛んでおり、足には魚が捕まっている様子の写真

 「オオワシ鷲掴み(ワシヅカミ)」
 秋山 謙二(東京都江戸川区)

鼻先が黒の大きな犬と縞模様の毛柄をした猫が寄り添っている様子を近くから撮った写真

 「相棒」
 アピア ジェンニファ(東京都世田谷区)

夜空に広がるきれいな天の川と、新緑が美しい田園を一緒に撮った写真

 「天の川と田園」
 大島 市郎(福島県会津若松市)

入選作品10点(人物・スナップ部門)

道具が積みあがった部屋で、2名のかたが工芸品を手にそれぞれ作業をしている様子の写真

 「繋ぐ思い」
 高橋 秀治(兵庫県神戸市)

石畳が続く道路わきに赤色で丸い形をした看板が設置されており、看板の横を一名の女性が走っていく様子の写真

 「マルの街角」
 仲程 梨枝子(沖縄県那覇市)

リュックを右側に置いて赤いベンチに座る人と、ベンチの横に停められたピンク色の自転車を撮った写真

 「赤いベンチ」
 浜口 正雄(三重県志摩市)

巨大な銀杏の木の葉が色づいて、木の下は一面黄色に染まる場所に子どもがこちら側を向いて立っている写真

 「黄色い絨毯」
 高橋 美紀(兵庫県神戸市)

岩場や雑草の生えたオフロードをヘルメット姿の競技者の方々が自転車で通過していく様子の写真

 「競走」
 落合 万喜(静岡県静岡市)

あたり一面が雪で覆われた橋の上に赤色の洋服を着た人が一人佇んでいる写真

 「紅一点」
 芝崎 静雄(愛媛県松山市)

野球のユニフォーム姿の男性と、チアリーディングの赤いユニフォーム姿の女性が向き合ってグータッチをしている写真

 「特別な夏の終わり」
 小池 佳澄(愛媛県今治市)

雪の降りしきる屋外で、左肩を道着から出して弓を射る男性の写真

 「射」
 藤松 政晴(佐賀県杵島郡白石町)

シャッターの下りた商店街が両側にずらりと続く道を一人のかたが歩いている写真

 「一人」
 山下 一成(東京都台東区)

オレンジ色に染まる空を背景に、二本の大きな幹が並んで立っている樹木を撮った写真

 「ふたり」
 浅野 良(福島県福島市)

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米沢市教育委員会教育管理部社会教育文化課(置賜総合文化センター1階)
(社会教育担当、文化振興担当、文化財担当)
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