令和4年3月定例会
総務文教常任委員長報告
令和4年3月4日 (開会)
令和4年3月24日 (報告)
ご報告申し上げます。
去る1日の本会議におきまして当委員会に付託されました案件は、議案4件、請願1件であります。
当委員会は、議会日程に従い、4日の午前10時から、委員会室において、全委員出席のもと、関係部課長並びに請願審査においては参考人及び紹介議員に出席を求め、開会いたしました。
以下、審査の経過と結果をご報告申し上げます。
初めに、議第4号置賜広域行政事務組合規約の一部変更についてでありますが、本案は、置賜広域行政事務組合が行う共同処理事務のうち、し尿共同処理施設の設置及び管理運営に関する事務等を変更することについて協議を行おうとするものであります。
本案については、質疑もなく、意見もなく、全委員異議なく原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、議第5号米沢市職員の服務の宣誓に関する条例の一部改正についてでありますが、本案は、職員の服務の宣誓の際に任命権者等の面前での署名を不要とするとともに、災害対応等が必要な場合には宣誓を行う前においても職員に職務を行わせることができるようにするほか、所要の改正を行おうとするものであります。
本案に対し、委員から、宣誓をさせるいとまがない場合というのは、どのような状況かとただされ、当局から、大規模な災害などで、宣誓式の開催よりも優先すべき業務があり、そうした業務にすぐに対応するなどの柔軟な対応が求められる場合を想定しているとの答弁がありました。
本案については、意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、議第6号米沢市職員の育児休業等に関する条例の一部改正についてでありますが、本案は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正に伴い所要の改正を行うほか、規定の整備を図ろうとするものであります。
本案については、とりわけ質疑もなく、意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、議第7号米沢市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正についてでありますが、本案は、国家公務員に準じ、不妊治療のための休暇を新設しようとするものであります。
本案については、とりわけ質疑もなく、意見もなく、全委員異議なく原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、請願第1号「米沢市学校給食基本方針」を実現していく上で、充分な検証を行い、その結果を市民にしっかりと説明することを求める請願についてでありますが、本請願は、米沢市学校給食基本方針を決定するに至った経緯や理由について市民に対して十分に説明すること。学校給食の三つの方式について建設費用や維持管理費用を含めた比較検証を行い、その結果を市民に知らせること。共同調理方式では地産地消やアレルギー対策がどうなるのか、市民に詳しく説明することを求めるものであります。
審査に先立ち、参考人及び紹介議員から補足説明を受け、審査に入りました。
本請願に対し、委員から、請願者が2月22日に市へ提出した署名の筆数及びどのような方々が署名されていたのか。また、署名に加えて請願者に送付された意見の内容について質疑があり、参考人から、署名の総数は3,901筆で、子育て中の世代に加え年配の方から多く意見をいただいた。米沢の素晴らしい自校方式が、なぜ共同調理方式に切り替わるのかとの意見がほとんどであったとの答弁がありました。
また、委員から、本請願の趣旨は、教育委員会が決定した共同調理方式を白紙に戻し、自校方式か親子方式に再考してほしいということかとの質疑があり、参考人から、そのとおりであるとの答弁がありました。
さらに、委員から、学校給食基本方針は、市民への説明が十分なされていると考えており、中学校校長会や各中学校PTA会長からも共同調理方式に賛成する要望書が提出されていると聞いている。説明不足だというが、請願者にとって納得のゆく説明ではなかったということではないのかとの質疑があり、参考人から、説明が不十分であることは、我々請願者だけの認識ではなく、多くの市民が思っているということであるとの答弁がありました。
また、委員から、請願項目の「「自校方式では敷地面積が足りない」と判断する場合には、隣接地の購入や増改築も前提として考えられること。」との表現の意図することについてただされ、紹介議員から、敷地面積が足りなければ、隣接地の購入や、校舎の増改築費用と維持管理費用を検証してほしいとの意味であるとの答弁がありました。
さらに、委員から、統合中学校の増改築を行う想定で、正確な建設費用を算出する場合、どの程度の費用や期間が必要かとの質疑があり、当局から、精緻な設計となると、正式に業務委託して設計しなければならず相当の費用が必要である。また、増改築に際しては、構造計算等も含めかなりの業務量となるため、半年以上の期間を要するのではないかとの答弁がありました。
また、委員から、本市は、共同調理方式化に向けた調査を始めており、その経過等を発信すべき立場にあるが、一方で、請願項目で求める基本方針を決定するに至った経緯と理由を改めて市民に発信すること、及び共同調理方式を選択しているにもかかわらず、学校給食の三つの方式の費用の比較検証を行うことは、市民の混乱を招くと考えるがどうかとただされ、参考人及び紹介議員から、学校給食基本方針を決定した経緯と理由について説明が不十分であり、また、三つの方式の費用について、市民はそれを知らせてほしいと願っているとの答弁がありました。
さらに、共同調理方式では、地産地消やアレルギー対応ができないとする根拠はあるのかとの質疑があり、参考人から、共同調理方式の給食では、作業できる時間が自校方式に比べて半分程度と短く、その時間で調理するには、地元の野菜を購入して下処理後に調理することは困難で、あらかじめ加工した野菜を使わなければならず地産地消にはつながらない。また、共同調理方式では、子供との距離があって十分なアレルギー対応ができていない例があるとの答弁がありました。
また、委員から、自校方式では、地元の農家から購入した食材を利用した地産地消が行われているが、共同調理方式では、そうしたことが難しくなるのではないかとの質疑があり、参考人から、農家や地元の商店から食材を購入して、手作りする機会が減るのは明らかで、加工食品を使用する機会が増え、今までのような地産地消の推進は難しくなると考えているとの答弁がありました。
さらに、委員から、参考人は自校方式が最も望ましいことだけを強調されるが、米沢市学校給食検討委員会報告書には、「小・中学校共に自校方式が最も望ましい」のあとに「自校方式ができない場合においては、親子方式の継続や給食センター方式も検討する。なお、その際には、全校を同じ方式とするのではなく、最適な方式を組み合わせることも有り得る」との記載があるのではないかとの質疑があり、紹介議員から、請願要旨に引用したとおりであるとの答弁がありました。
また、委員から、共同調理方式の施設で頑張っている職員の姿を見ているが、取組次第でアレルギー対策や食育に十分対応できると考えるがどうかとただされ、参考人から、共同調理方式の現場でも、努力の成果はあるが、自校方式が内容で上回っているとの認識であるとの答弁がありました。
続いて、委員から、米沢市学校給食基本方針の決定に当たってパブリック・コメントを実施しなかったことについて、ほかの委員の意見を伺いたいとの委員間討議の申し出がありました。
委員から、パブリック・コメントは、市民の皆さんから意見を聞くと同時に、市の考えを広く市民に周知する意味もあり、本来は、パブリック・コメントをきちんと行わなければならなかったとの考え。
統合中学校の敷地面積が足りないことから、子供たちの安全や、その他の教育環境を確保するためには、自校方式は難しいとの説明を十分に受けており、そこが明確な状態で採用すべき方式を市民に問うのは、かえって市民の混乱を招くとの考えが示されました。
また、委員から、昨年9月定例会に提出された補正予算には、共同調理施設の調査費用が計上され既に議決しており、その調査が進行している中で、予定していないほかの二つの方式の費用を算出するのは矛盾していると考えるが、ほかの委員の意見を伺いたいとの委員間討議の申し出がありました。
委員から、学校給食基本方針の決定に至る様々な分析・検討が不十分であり、共同調理方式の調査が進行しているものの、ほかの二つの方式の調査費用を補正予算に計上した上で、三つの方式の違いを明らかにすることが必要との考え。
昨年9月定例会での共同調理施設の調査に係る予算の議決の重みがあり、本請願を採択して、できるかどうかわからず現実的でない方式についての設計・積算、土地の購入についての地権者への打診・金額算定などを行うことは、実現すべきゴールを見据えた場合、計画的な事業の進め方とはいいがたく、当局の負担を考えても適切ではないとの考え。
昨年9月定例会の補正予算の議決は非常に重いものと思っているが、入り口の段階でパブリック・コメントを実施せず、学校給食の三つの方式の十分な試算を行わなかったことからこのような請願が出てきているとの考え。
共同調理方式を選択した際の議論は、非常に丁寧に進められてきており、あちらもこちらもと費用をかけて調査するのは市民の不利益になるとの考えが示されました。
採決に当たっては、共同調理方式に係る建設費用などが明らかになっていないことや、ほかの二つの方式との比較もなされていないことに疑問を持っている。大きな方針転換の際にパブリック・コメントを実施しなかったことは非常に大きな問題と考えることから本請願を採択すべきとの意見。
現状に照らし合わせ、自校方式を進めることは難しいということを理解したうえで、共同調理方式の調査費用について議決し、共同調理方式に向けた検討が進んでいる中で、その議決を覆すような判断はできないことから、本請願は不採択とすべきとの意見。
今定例会の議論の中でもあったように、統合中学校の試算した自校方式の調理場面積などの根拠が示されないが、行政が方針を決定する際には、きちんとした分析を行うこと、その根拠を示すことが必要で、それが不十分であるため本請願を採択すべきとの意見。
学校給食を調理する場所よりも、それを支える人がどうすればよりよい給食を提供できるかを考えることが大切であり、共同調理方式がふさわしくないと反対するようなことではないと考えることから、本請願を不採択とすべきとの意見に分かれたため、起立採決を行ったところ賛成少数で不採択とすべきものと決しました。
以上、当委員会に付託されました議案4件、請願1件の審査の経過と結果を申し上げ、委員長報告といたします。