【審査の概要 平成30年9月定例会(請願第1号)】

平成30年9月定例会(請願第1号)
  産業建設常任委員長報告
      平成30年6月21日 開会 
      平成30年8月27日 開会
      平成30年9月3日   報告



 平成30年6月定例会で当委員会に付託され、継続審査となっておりました請願1件についてご報告申し上げます。

 『請願第1号 種子法廃止に伴う万全の対策を求める意見書提出方請願』についてでありますが、本請願は、主要農作物種子法が廃止されたことに伴い、試験場等の取り組みが後退することのないよう予算措置等の確保を行うこと、及び地域の共有財産である「種子」を民間に委ねることのないよう対策を講じることを求める意見書を政府及び関係機関に対して提出していただきたいとするものであります。

 審査に先立ち、6月21日及び8月27日に参考人及び紹介議員から補足説明を受け、審査に入りました。

 本請願に対し、委員から、参考人は、実際に農業を営んでいる方々は種子法が廃止されたことをどのように感じていると考えているかとの質疑があり、参考人から、特に中核農家は種子法によって種子を安く購入することができていたことや、種苗の自家増殖が禁止となる方向であることなどから、種子法は大事なものであったという認識を持っているものと考えているとの答弁がありました。
 また、委員から、民間に主要農作物の種子を委ねることにより、どのようなことが心配されるかと質され、参考人から、各地方でつくられている個性のある米がなくなり、品種が限定されることになる。また、F1種子が扱われることになった場合は、毎年その種子を買わなければ安定した米をつくることができなくなるとの答弁がありました。
 さらに、委員から、山形県においては、種子法に代わる条例に係るパブリックコメントの募集が行われており、今後、この条例が制定された場合、請願の趣旨は達成されるのかと質され、参考人から、県条例として制定されたとしても法律がないので、国に今までと変わらない予算措置をしてもらうためにも、この意見書を国に上げていただきたいとの答弁がありました。
 また、委員から、地方交付税の取り扱いについては、種子法廃止後も、種苗法によって引き続き予算措置を講ずるとの方針が出されたが、これについてはどう考えるかと質され、参考人から、種子に対する財政措置については国会でも議論されており、減額する、なくすということにはなっていないが、種子法を廃止したことには、ある一定の意味があると考えるため、将来にわたってこれが保障される確信は持てないとの答弁がありました。

 次に委員から、種子法が廃止されることとなった理由を他の委員はどのように認識しているのか、意見をお伺いしたいとの委員間討議の申し出があり、討議が行われました。
 はじめに、各都道府県において多くのブランド米が作られているが、すべての品種が認知されているものではない。そういった中で、地域の実情や消費者のニーズに合わせたような品種の開発を官民が共同して行えるようにするため廃止されたものであるとの考え。
 また、TPP締結による国際競争の中での市場開拓や研究開発が要因であるとの考え。
 そのほか、国は民間の競争力のためと言っているが、民間企業の収益の対象になるだけではないかという考え、などが出されました。
 さらに委員から、グローバル企業へ各自治体と試験場等が培ってきた知見を渡すことについて、他の委員はどのように認識しているのか、意見をお伺いしたいとの委員間討議の申し出があり、討議が行われました。
 はじめに、グローバル企業の中には日本の企業も含まれており、外国の企業による独占状態にはならないと思う。また、米の種子は日本が世界一であることから、日本の企業がそれぞれ努力をして、良い品種をつくるはずであるとの考え。
 また、行政により低廉(ていれん)な価格で提供されていた種子が高額となれば、農業経営は圧迫される。また、F1や遺伝子組みかえの種子しか使えないようになってしまうのではないかとの考え。
 そのほか、日本の一部の試験場では、既にグローバル企業と共同研究して遺伝子組みかえの種子の試験栽培も始めているという報告もあり、種子法の廃止はこの動きを助長させていくものであるとの考え、などが出されました。

 採決に当たっては、種子法の廃止は本当に国民の意見を反映した上での廃止だったのか、なぜ急いで廃止しなければならなかったのか、これまでの審議状況を鑑みても疑問である。日本の食糧の安全と自給権を守っていくために必要であると考えることから採択すべきとの意見。
 各自治体と試験場等が培ってきた知見を今後民間と共有することは、地域の実情や市場のニーズに即した米の種子の開発、そして輸出を含めた産業の育成に寄与するものであり、また、現行の法制下においても、地方交付税措置を受けながら継続して事業に取り組むことができるものであると考えることから不採択とすべきとの意見。
 試験場では、新しい品種を奨励品種として決定するために、特性調査や食味等の評価などに多くの時間と労力をかけているが、これは、今までは種子法を根拠に国が責任をもって種子を守り、開発してきたからである。今後、今まで培った知見が民間に渡った場合、利益追求のため、安易な形での開発が広がり、人体に悪影響を及ぼすものが出回る可能性が高くなると思われることから採択すべきとの意見にわかれましたので、起立による採決を行った結果、賛成少数で不採択とすべきものと決しました。


 以上、当委員会に付託され、継続審査となっておりました請願一件の審査の経過と結果を申し上げ、委員長報告といたします。

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