【審査の概要 平成28年9月定例会】

地域医療

平成28年9月定例会
   総務文教常任委員会 委員長報告 
     平成28年9月16日 開会
     平成28年9月29日 報告



 ご報告申し上げます。
 去る2日の本会議において、当委員会に付託されました案件は、請願1件であります。
 当委員会は、議会日程に従い、16日午前10時から委員会室において、全委員出席のもと、関係部課長、参考人及び紹介議員の出席を求め開会いたしました。
 以下、審査の経過と結果について、ご報告申し上げます。


 『請願第5号 所得税法第56条の廃止を求める意見書提出方請願』でありますが、本請願は、所得税法第56条において、家族従業者の「働き分」(自家労賃)を必要経費として認めず、様々な弊害があることから、その廃止を求める意見書の提出を求めるものであります。
 審査に先立ち、参考人及び紹介議員から補足説明を受け、審査に入りました。
 本請願に対し、委員から、帳簿類の備え付けに関して青色申告と白色申告の違いはなくなったとの理解でよろしいかとの質疑があり、紹介議員から、2014年の税制改正で、基本的には白色申告でも、記帳義務が発生したので、青色申告・白色申告によって記帳をする・しないの差はないと認識しているとの答弁がありました。
 また委員から、他自治体の請願採択の状況について質疑があり、参考人から、採択率は不明であるが、現在は453の自治体で請願を採択しているとの答弁がありました。また紹介議員から、この度の請願は米沢民主商工会から提出しているが、他の団体、例えば、日本税理士会連合会の建議書において、所得税法第56条の関係にふれており、内容としては、生計を一にする親族が、事業から対価を受ける場合の必要経費の特例の規定は、適正な契約、適切な記帳が行われている場合には必要経費として控除を認めることとある。こうしたことから、各地域の税理士会から請願が出され、採択した自治体もあるのではないかとの答弁がありました。
 さらに委員から、所得税法第57条があり青色申告にすると専従者給与の上限が撤廃され、主張している部分を解決できるのではないかと質され、参考人から、青色申告をすれば願意を解決できるということではなく、家族労働を必要経費に算入できないことが、いわば人権を認めてもらえていないと感じており、そこが所得税法第56条の課題と考えている。また所得税法第56条については国連からも是正が求められており、課題解決には廃止すべきだという思いから請願しており、金額の多寡ではないとの答弁がありました。
 また委員から、本市の青色申告、白色申告の状況について質疑があり、当局から、青色事業専従者を有する納税義務者は515人で、その専従者の数は、配偶者、配偶者以外の方を合わせ、656人である。また、白色事業専従者を有する納税義務者は133名で、その専従者の数は、配偶者、配偶者以外の方を合わせ149人であるとの答弁がありました。
 さらに委員から、白色申告のみでしか申告できない業種があるのかとの質疑があり、当局から、青色申告において、専従者給与の控除が認められるには一定程度の事業規模を必要とするが、白色申告でしなければならないということではないとの答弁がありました。
 また委員から、所得税法第56条を廃止したときに懸念される例として、所得を恣意的に分割したり報酬をつり上げたりすることがあるのではないかとの指摘に対してどのように考えているかとの質疑があり、紹介議員から、白色申告でも記帳義務が発生しており、給与所得として額を引き上げるなどの不正は想定できなくなってきていると考えており、問題はないのではないかとの答弁がありました。
 採決に当たっては、家族制度をもとに生活を営んできたため、家族全体というフィルターを通して課税の対象としてきたが、社会情勢が変化し、個人の権利が拡大されてきた。また国の方では1億総活躍社会を唱えており、加えて国連からも是正の意見が出されていることから各個人の権利をやはり正当に認めるべきであると考える。また、白色申告の場合でも、帳簿の調製義務あるいは資料の保存義務が課せられ、具体的に青色申告と白色申告の違いはなくなりつつあり、所得税法第56条が廃止されたからといって、不正を行うことは考えにくく、適正な課税というものは維持できると考えることから、採択に賛成するとの意見。
 また、白色申告は今まで、大まかな報告であるため課税の不公平感は非常にあり、それを解決するために青色申告を勧めてきているのが現状である。また青色申告にすると複式簿記まで求められ、煩雑になるとの話があったが、簡易帳簿の記帳も選択でき、青色申告であっても、複式簿記までは求められないので煩雑さは白色申告とさほど変わらないと考える。加えて青色申告することで専従者給与の上限が撤廃されることから、今回の請願の趣旨における配偶者86万円や配偶者以外の家族50万円の控除については解決できると考えられることから、請願採択に反対とする意見に分かれたことから、起立により採決を行い、賛成少数で不採択とすべきものと決しました。


 以上、当委員会に付託されました請願1件の審査の経過と結果を申し上げ、委員長報告といたします。

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