【審査の概要 平成28年3月定例会】

平成28年3月定例会
 総務文教常任委員会 委員長報告 
     平成28年3月 4日 開会
     平成28年3月10日 開会
     平成28年3月24日 報告



 ご報告申し上げます。
 去る3月1日及び10日の本会議において、当委員会に付託されました案件は、議案13件、請願2件であります。
 当委員会は、議会日程に従い、4日及び10日に委員会室において、全委員出席のもと、教育長、関係部課長、また請願審査においては、請願者及び紹介議員の出席を求め開会いたしました。
 以下、審査の経過と結果について、ご報告申し上げます。


 初めに、『議第2号 米沢市固定資産評価審査委員会条例及び米沢市一般職の職員に対する退職手当支給条例の一部改正について』でありますが、本案は、行政不服審査法の全部改正に伴い、固定資産評価審査委員会の審査の手続が同法の規定による手続に準じたものとなるよう所要の改正を行うほか規定の整備を図るものであります。
 本案については、質疑や意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『議第3号 米沢市議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部改正について』でありますが、本案は、地方公務員災害補償法施行令の一部改正に伴い、本市の議会の議員その他非常勤の職員に対する公務災害補償等の給付を他の法令による給付と調整をする場合の取り扱いを一般職の職員に係る取り扱いと同様にするものであります。
 本案については、とりわけ質疑や意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『議第4号 米沢市職員の勤務時間、休暇等に関する条例及び米沢市人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部改正について』でありますが、本案は、地方公務員法の一部改正に伴いまして、人事行政の運営等の状況を取りまとめ、及び公表する事項を追加しようとするほか、規定の整備を図るものであります。
 本案については、とりわけ質疑や、意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『議第5号 米沢市行政手続条例の一部改正について』でありますが、本案は、行政手続法の一部改正に伴い、規定の整備を図るものであります。
 本案については、とりわけ質疑や、意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『議第6号 米沢市情報公開・個人情報保護審査会条例等の一部改正について』でありますが、本案は、行政不服審査法の全部改正に伴い、同法に規定する審理員による審理手続に関する適用除外の規定を定めようとするほか所要の改正及び規定の整備を図るものであります。
 本案については、質疑や意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『議第7号 米沢市市税条例等の一部改正について』でありますが、本案は、市税等に係る督促手数料の額を改めようとするものであります。
 本案に対し委員から、施行期日が5月1日であるのはなぜかとの質疑があり、当局から、28年度に発生した債権に係る督促は、28年5月1日以降に行うことになるためであるとの答弁がありました。
 また委員から、光にかざすと透けて見える現状の督促状は個人情報がしっかりと守られているとはいえないと考えるが対策を検討しないのかと質され、当局から、透けて見えるようでは適切な状況ではなく、督促状の裏面に地紋などを印刷するなど検討をしてまいりたいとの答弁がありました。
 採決に当たっては、督促状のはがきについては個人情報保護の観点から改善を早急にする必要がある。合わせて、同一の滞納者に複数のはがきを毎月出していることが予想されるが、税の徴収事務の一元化で削減できる経費も相当あると考えられ、根本的な改善も図っていただきたいと願いつつ賛成するとの意見がありました。
 本案については、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『議第8号 米沢市立学校の設置等に関する条例の一部改正について』でありますが、本案は、米沢市立第一中学校水泳プールを一般の使用に供しないこととするものであります。
 本案に対し委員から、一般の使用状況について質疑があり、当局から、平成26年度で一般が275名、高校生16名、小中学生922名の合計1,213名であるとの答弁がありました。さらに委員から、利用者に対する影響はどのように考えているかと質され、当局から、利用者のほとんどは小中学生であり、小学生はそれぞれの小学校で、また中学生は、市営プールの利用で対応できると考えており影響は少ないと認識しているとの答弁がありました。
 本案については、意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『議第9号 米沢市行政不服審査会条例の設定について』でありますが、本案は、行政不服審査法の全部改正に伴い、審査請求に係る裁決の適否を審査する附属機関として設置する米沢市行政不服審査会の組織及び運営に関して必要な事項を定めようとするものであります。
 本案については、質疑や意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『議第10号 米沢市職員の退職管理に関する条例の設定について』でありますが、本案は、地方公務員法の一部改正に伴い、職員の退職管理に関し必要な事項を定めようとするものであります。
 本案に対し委員から、この件は条例で規定するものではなく公務員の倫理上の問題ではないのかと質され、当局から、国では規定をしており、条例を制定していない場合は、対策もれを指摘される可能性があるため、万が一に備えて条例化するものであるとの答弁がありました。
 採決に当たっては、一億総活躍社会と言われており、優秀な職員には退職後も再就職をして、地域において活躍していただきたいと考える。さまざまな活動の制限とならないよう、当局がしっかりと職員に説明していくことを求め賛成するとの意見がありました。
 本案は全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『議第11号 米沢市経済の活性化及び雇用機会の創出のための固定資産税の不均一課税に関する条例の設定について』でありますが、本案は、本市における経済の活性化及び雇用機会の創出を図るため、東京都の特別区にある本社機能を本市に移転し、または、本市にある本社機能の拡充等を行った企業に対して、固定資産税の不均一課税を行おうとするものであります。
 本案に対し委員から、不均一課税を適用して税収が減った場合の地方交付税の措置について質疑があり、当局から、従来の企業立地促進法に準じた形で、基準財政収入額での補てんが3年間なされるが、補てん率は段階的に引き下げられるとの答弁がありました。
 また委員から、交付税で措置される期間が3年であるから、期間の設定を3年としたのかと質され、当局から、企業誘致の一つのツールとして継続できればよいが、財政及び施策との兼ね合いから、まずはこの交付税措置がある期間で活用したいとの答弁がありました。さらに委員から、財政状況をしっかり整えた上でということになるが、期間については他の自治体も概ね三年であり、そこで差をつけることも、一つの魅力のアップになると思うが、そのような方向性は今後検討していくのかとの質疑があり、当局から、企業誘致については、東北中央自動車道が開通する平成29年度をはさみ平成30年度までを、重点期間として特に力を入れていきたいと考えており、その成果も踏まえて検討してまいりたいとの答弁がありました。
 本案については、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『議第12号 米沢市長の在任期間に関する条例の設定について』でありますが、本案は、市長の在任期間の上限について定めようとするものであります。
 なお、委員会として、本案についての説明、答弁のため、議長を通して、市長に出席を求めました。
 本案に対し委員から、地方自治体が条例で多選を制限することは、憲法の規定に抵触しないのかとの質疑があり、当局から、法律上そのような規定がないことから、条例で明確に禁止をうたっているのであれば問題であるが、あくまで自粛という形であるので、法的には問題がないと考えているとの答弁がありました。さらに委員から、ほかの市町村の条例では、「在任しないよう努めるものとする」と表現しているが、あえて「在任しないものとする」としたのはなぜかと質され、市長から、2期8年を選挙公約として訴えてきおり、自分を律するためにも「在任しないものとする」という文言を使用したとの答弁がありました。
 また委員から、2期8年とした理由について質疑があり、市長から、閉塞感のある米沢を何とか打破したいとの思いで市長選に立候補したが、この期間で産業振興や人口減少に歯止めをかける施策に力を入れても成果が出なければ、市長は何をしているのかとなる。成果を出すためにしっかり取り組みたいとの純粋な考えで2期8年の期間としたとの答弁がありました。さらに委員から、本条例は立候補を制限するものではないため、市民から継続の要望があり、推薦された際は立候補する考えはあるのかと質され、市長から、推薦をいただくことはありがたいことではあるが、その場合はまちづくりの一定の方向性が見え成果も出たと判断し、次の若い人へ受け継いでまいりたいと考えているとの答弁がありました。
 採決に当たっては、法的には任期を制限するという禁止はできず、あくまでも努力規定であることから、この条例は現市長のみに係るものであり、あえて制定しなければならない意義について疑問が残るため反対するとの意見。他自治体で既に施行されているものがあるという状況を踏まえれば、首長としての決意を示すための条例と受けとめ賛成するとの意見に分かれたため、起立による採決を行った結果、賛成多数で可決すべきものと決しました。


 次に、『議第42号 米沢市特別職の職員の給与に関する条例の一部改正について』でありますが、本案は、市長の給料を減額する率を改めようとするものであります。
 本案に対し委員から、減額率をさらに上げることになるが、一般職の職員の給与に影響することはないかと質され、当局から、一般職の職員の給与の減額率はこの度の市長の給料の減額率とは関連せず、影響はないとの答弁がありました。
 また委員から、20パーセントから30パーセントへと10パーセント減額率を増やした根拠は何かとの質疑があり、当局から、新市長として財政健全化への思いを上乗せする必要があるとの政策的な判断と推測しているとの答弁がありました。さらに委員から、減額率を10パーセント上げた際の効果額はと質され、当局から約145万円であるとの答弁がありました。
 本案については、意見もなく、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『議第43号 米沢市一般職の職員の給与に関する条例及び米沢市一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の一部改正について』でありますが、本案は、山形県人事委員会勧告に準じ一般職の職員の給料月額等の改定を行うとともに、地方公務員法の一部改正に伴い等級別基準職務表を定めようとするほか所要の改正を行うものであります。
 本案に対し委員から、山形県人事委員会の勧告には財政健全化計画に取り組む本市の財政状況は勘案されていないが、その勧告に準じることをどのように認識しているかと質され、当局から、地方公務員法の趣旨から、第三者機関である人事委員会の公平公正かつ適正な給与勧告に準じて給与制度を決定することが、本市の適正な給料のあり方であるとしてこれまで運用してきており、その上で勧告とは別に財政状況に対応するために独自給与減額を実施しているものであるとの答弁がありました。
 また委員から、議会に諮った財政健全化計画には、職員の独自給与削減の効果額が含まれているが、計画との整合性をどのように考えているのかとの質疑があり、当局から、交付税及び税収の確定後や人事委員会勧告を受けての人件費の増減を踏まえて、随時見直しをかけながらこの健全化計画を進めていくと約束しているので、常に議会と相談しながら検討していく予定であるとの答弁がありました。そのほか、高卒・大卒の初任給、俸給表と地域格差、人材確保について質疑がありました。
 採決に当たって、本市が県の人事委員会勧告に沿って給与を改正することは、地域の実態にできるだけ即してという点では配慮されているが、新規職員の採用等を考えると、全体の人件費は抑制しつつも、意欲のある若者が戻ってくる一つの方法として、若年層の給与改善について検討する必要性があると指摘し賛成するとの意見がありました。
 本案は全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。


 次に、『請願第1号 安全保障関連法を廃止することを国に求める意見書の提出方請願』でありますが、本請願は、第189回通常国会において、昨年9月19日に可決・成立した「集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法」を、廃止することを求める意見書を国会及び政府、関係機関に提出していただきたいとするものであります。
 審査に先立ち、参考人及び紹介議員から補足説明を受け、審査に入りました。
 本請願に対し、委員から、集団的自衛権行使容認を含む安全保障関連法を廃止した場合、どのような方法でこれからの日本の平和安全を維持していくのかとの質疑があり、参考人から、本当の外交をしっかりやることであり、脅しやまたは自分よがりの主張ではなく、相手の意見をしっかり聞きながら、自分たちの意見もしっかり述べ、そして両者の思いが行きつくところがどこなのかまでしっかり議論することで平和は維持できると考えているとの答弁がありました。さらに委員から、多くの憲法学者、有識者、文化人らが違憲であると断じているということであるが、それに対してはどう思われるかと質され、参考人から、日本国憲法の中の特に立憲主義という考え方でいくと、この法案はそれを覆しているというその1点がまさに、この安全保障関連法の法律として、無効であるという大原則になっているのだと考えているとの答弁がありました。さらに委員から、平成4年にPKO法案が成立した際も、憲法学者らは違憲であると述べていたが、この24年間で日本の平和に大きな影響はなかったと考えているがどうかとの質疑があり、参考人から、平和維持活動は、武力でもってその地域を平和にするということではなく、文化的、社会的な、さまざまな活動を通じて平和維持をしてきた。また派遣された地域も、紛争が終結し、その紛争から立ち直るための援助をしてきたのである。しかし安倍首相がトルコで演説した、言わば、武力でもってでもイスラム国を抑え込むとういう発言から状況が変わりつつあると考えるとの答弁がありました。
 また、委員から、この度の安全保障関連法では、集団的自衛権を根拠として自衛隊の武力行使を認めるという中身が盛り込まれているがどのようなものと捉えているかとの質疑があり、参考人から、極端な言い方をすれば、何の被害を受けていなくても、仲間がやられたからといってその仲間になって相手を攻撃するのが集団的自衛権であり、今回の法律によって、日本の自衛隊がどこに出て行っても良いというお墨つきを、あたえるようなものであるとの答弁がありました。さらに委員から、自衛隊のリスクがどのようになっていくか質され、参考人から、集団的自衛権を行使していけば、日本も攻撃対象とされ、今まで想像しなかったようなことが起きると考えているとの答弁がありました。
 また委員から、自衛隊は軍隊と捉えているのかと質され、参考人から、現実的には軍隊だと考えているが、範囲はできるだけ制約し、紛争が終わった地域に派遣され、その地域社会の立て直す活動についている際は、軍隊だとは考えていない。しかしながら、集団的自衛権を行使すれば、完全に軍隊となってしまうと考えているとの答弁がありました。
 また委員から、アメリカの基地が日本各所にあるが、アメリカとの関係が薄れてしまった場合、日本は、ほかから攻撃を受けないと言い切れるのかと質疑があり、参考人から、基地があることにより、たしかにある部分では、日本の平和を守ってきてくれた事実もあると思うが、その反面、日本国民の安全が脅かされてきたとも考えている。アメリカの基地があっても憲法九条によって武力行使はしないとうたっており、それが、各国にも浸透して攻撃されないベースになっているのではないかと考えているとの答弁がありました。
 また委員から、安全保障関連法の中には時代に合わせた解釈が必要になるものがあるのではないかとの質疑があり、参考人から、時代に応じてということは大事であるが、どの時代に焦点を合わせるのかが大きなポイントだと考えている。今回の法律は現在の不安定な近隣諸国の状況に合わせてつくられたが、未来に向けてその不安を打ち消す別の方策があるならば、そちらを優先すべきであると考えている。法律により一度行動を起こしてしまえば、間違っていたとしても戻れず、国民を不幸にさらすことになると考えているとの答弁がありました。
 次に委員から、委員間討議の申し出があり、安全保障関連法の国会審議は充分であったかについて討議をおこないました。
委員から、10本の法案をひとまとめて、審議をしており、その10法の法案一本一本が、本来は審議に時間を尽くすべき重要な法案であったと考えており、その審議時間は少なく、また成立後も安倍首相は、国民の理解はまだまだ得られていないので丁寧に説明すると、当時話していたが、それ以降、丁寧な説明というものがないように感じており不充分であるとの考え。どれだけ国民に対して日本の安全・平和を国が訴えてきたかということになれば、日本国憲法ができたときからずっと説明してきており、十分に審議した結果の判断だとの考えがありました。そのほかに安全保障関連法が憲法に違反しているという声をどのように捉えているかについても委員間討議を行いました。
 採決に当たっては、憲法の解釈を変更することで集団的自衛権の行使ができるという判断がなされ、集団的自衛権の行使容認が閣議決定されているが、それまでの安全保障政策を180度転換する重大な内容であるにもかかわらず、その判断がなされた経過が文書として残されておらず不透明である。今までの内閣が日本国憲法により認めてこなかったものには、なんら変わりがないため、憲法違反であるこの法律は廃案とするべきであり、請願採択に賛成とする意見。
 世界第3位の経済大国である日本は、自ら国民の安全を守っていかなければならないと考えており、今までの日本は困ったときだけアメリカに助けを請う片手落ちであったが、相手方に助けてもらう以上、相手が困ったときは、当然協力して出ていかなくてはならないと考えるため請願採択に反対とする意見。
 武力等による抑止力で保たれた平和は恒久なものとはいえず、その中でパワーバランスが崩れれば、当然、武力の衝突が起きるにほかならない。日本国憲法の精神は、戦争の反省に立ち恒久的な世界平和を願う国であることが色濃く反映されており、その特異性を、新しい時代をつくるために、むしろ大切に守っていくべき精神である。また、反対意見が多い現状にあるこの関連法についてやはり政府は、しっかりと国民に対して説明をすべきである。さらに議会制民主主義の中で今回の法案成立に至る経緯では国会は国会としての役割を果たしたとは言えないので一度廃案にし、国民世論を踏まえた議論をした上で、改めて、検討していくべきものとし請願採択に賛成とする意見。
 法案審議のときに、野党は国民の多くが反対していると主張し、また法案に反対するメディアでは、政府は民意に耳を傾けよという報道がなされたわけだが、本当に正しく報道されてきたのか疑問に感じる。難しい判断ではあるが、先月行われた共同通信社の世論調査では安保関連法を廃止すべきかとの問いに対し、「廃止すべき」が38.1パーセント、「廃止すべきでない」は47.0パーセントにのぼっておりその結果も考慮し、この度の請願採択には反対とする意見に別れたため起立により採決をおこない、可否同数となったため、米沢市議会会議規則第17条の規定により、委員長採決をおこなった結果、不採択にすべきものと決しました。


 次に、『請願第2号 奨学金制度の充実と教育費負担の軽減を求める意見書提出方請願』でありますが、本請願は、大学等において国の給付型奨学金制度を導入するとともに、高校を含めて拡充することや大学等の学費の引き下げ、授業料減免の拡充を実行することを求める意見書を国の関係機関に提出していただきたいとするものであります。
 審査に先立ち、参考人及び紹介議員から補足説明を受け、審査に入りました。
 本請願に対して委員から、奨学金を借りてまで、大学に進学するのはなぜか、また借りたものは自分でかえすのが当然であると考えるが見解はどうかと質され、参考人から、まずは、激減する高卒求人者数を背景に大学に進学する人が増えていること、合わせて大学の授業料等の高騰、家計収入の減少があげられると考えている。また、返済については、大学に進学し卒業しても、社会構造の変化により、正社員での雇用の比率が7割にとどまり、残りの3割のうち大学院への進学が1割、2割が非正規やアルバイト、無業とならざるを得ない状況にあり、年収が少なく返済が滞ってしまう状況にある。また滞納者の約8割が年収300万以下という状況がさらに返済を困難にしているとの答弁がありました。
 また委員から、国の給付型奨学金制度の導入を求めているがその財源はどのように考えているのかと質され、参考人から、現在の奨学金制度はいわば教育ローンであり、給付型奨学金制度がないこと自体を問題にしたいと考えている。財源については確かに難しいものであるが、GDPに対する日本の教育に係る公的支出は3.6パーセントで、OECDの加盟国、34各国中で30位と低く、社会が若者を育てていく奨学金が必要であると考えているとの答弁がありました。
 次に委員から、委員間討議の申し出があり、国の給付型奨学金制度を導入する際の課題について討議をおこないました。
 委員から、財源問題が一番の課題と考えるが、就職や返済についての課題の解消であれば、別の施策に力を入れることで解決できるのではないかとする考え。山形県では若者定着奨学金返還支援事業も展開されることから時期尚早であると考え、動向を見極めたいとする考え。また、憲法26条では、すべて国民は法律の定めるところにより、その能力に応じて等しく教育を受ける権利を有するとあり、能力以外のもので、権利を受けられないことは問題である。親の経済力によって子供の教育を受ける権利が左右されてはならないと考えており、国としても、もっと教育にお金を振り分けてやるべきだとする考えがありました。
 採決に当たっては、20代、30代の方々は子育てにおける教育費がかかり過ぎると感じており、少子化対策または人口減少問題に取り組むうえで避けて通れない問題であるため、請願採択に賛成とする意見。
 教育費がかかるのであれば、高校を義務教育化するなど給付型奨学金制度を創設するよりも先にすることが数多くあるのではないかと考えるため請願採択に反対とする意見。
 親の経済力によって子供の教育を受ける権利が左右されるようなことがあってはならないと基本的には考えている。社会状況の変化に伴い、自分ではいかんともしがたい経済的厳しさ等が年々増している中、富の再配分、税金の使い道のありようとして、国として教育の方にもっとお金を使って充実させるべきだと考えるので請願採択に賛成とする意見。
 単に奨学金制度を利用する学生にとどまらず、子どもに対して学費や生活費など仕送りをする保護者にも関わることであることから、そういった親の経済力を充実させる施策を重点に考えていく方が良いのではないかと考えるため、請願採択には反対とする意見。
 滞納者が33万人にものぼり、滞納額もすごい数字となる。これらの解消には膨大な予算がかかることが容易に予想され、制度の骨格、運営方法などを抜本的に改善しなければ、非常に厳しいと考えるため請願採択に反対とする意見。
 現在の日本学生支援機構の奨学金制度は、無利子か、有利子かの違いはあるが、教育ローンでしかない。少子化対策に取り組む時代に、社会に出る前から多額の借金を背負わせている状況を解消せずに若者の生活支援をしても実態とはかけ離れていると考えている。財源の問題はあるが、本請願は、あくまでも奨学金制度の充実と教育費負担の軽減を求める意見書の提出である。年収が低い米沢市の生活実情を踏まえると、やはり国として給付型奨学金の制度も活用できるような状況をつくっていただきたいと考えるため請願採択に賛成とする意見。
 2018年度から文部科学省でも、所得連動返還型奨学金という制度が導入され、収入に応じて返済する制度も予定されている。現在の奨学金を充実させても根本的な非正規雇用の問題は解決できるものではないと考えるため反対とする意見に分かれたので起立による採決を行った結果賛成少数で、不採択すべきものと決しました。


 以上、当委員会に付託されました議案13件、請願2件の審査の経過と結果を申し上げ、委員長報告といたします。

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