【審査の概要 平成27年9月定例会(請願第6号)】

平成27年9月定例会
 総務文教常任委員会委員長報告
     平成27年6月19日 開会
     平成27年8月20日 開会
     平成27年9月 2日 報告



 本日は、平成27年6月定例会で当委員会に付託され、継続審査となっておりました請願1件についてご報告申し上げます。
 『請願第6号 人種差別を扇動するヘイトスピーチを禁止し処罰する法律の制定を求める意見書提出方請願』についてでありますが、本請願は、人種差別、民族差別を煽るヘイトスピーチなどを法律で禁止することを求める意見書を政府や国会、関係行政庁に対して提出していただきたいとするものであります。
 審査に先立ち、6月19日には参考人及び紹介議員から、また8月20日には紹介議員から補足説明を受け、審査に入りました。
 本請願に対し、委員から、実際に腕力による暴力で安全を脅かされることはあったのかとの質疑があり、参考人から、腕力による暴力はないが、ヘイトスピーチは言葉の暴力であり、その言葉により恐怖を与えること自体が暴力以外の何物でもなく、その状況下におかれているとの答弁がありました。
 また、委員から、現在の法律で対応は可能ではないのかと質され、参考人から、個人に対してであれば対応は可能であるが、不特定の場合は、法律の中では適用できるものは何一つないという認識であるとの答弁がありました。
 さらに、委員から、山形県内や全国の議会への意見書提出状況等について質疑があり、参考人から、県内では今回山形市、米沢市に請願を提出し審査をしていただいている。また全国的には、昨年8月の国連人種差別撤廃委員会での勧告を受けてから、各地方議会において、ヘイトスピーチの禁止や処罰の法律制定を求める意見書が採択されているが、我々の団体が働きかけたのは3分の1程度であり、そのほかは、各地方議会が問題意識を持ってみずから動いた結果であるとの答弁がありました。さらに紹介議員から、8月3日現在では185の自治体から国に対して意見書が提出されているとの追加説明がありました。
 また、委員から、表現の自由、言論の自由が優先されるのではないかとの質疑があり、参考人から、確かに日本では、表現の自由を制限する危険を犯してまで、禁止すべきではないとの認識があるため法整備が進んでいないと考えているが、一方では国連の自由権規約委員会、人種差別撤廃委員会からの勧告で法整備を求められているとの答弁がありました。
 また、委員から、法整備をする上で、問題となる部分は、表現の自由だと考えるが、どのような法整備を求めたいのかと質され、参考人から、社会の平穏を乱し、その人の尊厳を損なわせることを規制する法整備がされるのがよいと考えているとの答弁がありました。
 さらに委員から、特定の国籍を対象にしたものではなく、日本で暮らす様々な国籍の方々の尊厳が損なわれることがないような法整備を求めるというような趣旨でよろしいかと質され、参考人から、基本法によって、差別される弱いマイノリティの人たちが、包括的に権利が守られることを目指すことが趣旨であるとの答弁がありました。
 さらに委員から、国会では、どのような議論がなされているのかとの質疑があり、参考人から、昨年の国連の勧告以降、与野党でヘイトスピーチ問題に対する座談会が開催されている。また参議院においては民主党、社民党などの議員による法案が、5月22日に提出されているとの答弁がありました。また紹介議員から、8月4日には、参議院の法務委員会で、審議入りしたとの追加説明がありました。


 次に委員から、言論の自由、表現の自由との兼ね合いによって、ヘイトスピーチを規制できない中で、それを改善するためにはどのような方法が適切か、またヘイトスピーチを法律で禁止することの是非について委員間討議の申し出があり、討議が行われました。
 委員からは、法律そのものの内容は精査しなければならないが、特定の人種、国籍に対して差別を助長し扇動するようなことを禁止する新たな法律は必要であり、法規制以外にはないとする考え、また委員から、実際に判決事例もあるので現行法でも対応できるのではないか。また国会では法案が提出され、法律として制定することが適切か不適切か議論しているので、地方議会としては動向をしっかりと見据える必要があるとの考え、さらに委員から、法律で禁止することになると、安易に判断できるようなものではなく、間口も広く深く、大変な問題になると考えられるため二の足を踏まざるを得ないとする考え、などが出されました。
 採決に当たっては、法律による規制が適切か、不適切かは、やはり国において判断は必要なところだが、この請願の趣旨は、現在、一部の地域で行われているようなヘイトスピーチ、ヘイトクライムにより、苦しめられている方がいるような状況を一刻も早く改善し、そういうもののない社会をつくっていくということであり、その地域住民の意思を示す必要があることから賛成するとの意見。
 請願の主旨は、十分理解するところであるが、禁止する法律制定を求めることについては、軽々に判断を出せるような状態ではないので反対とする意見。
 ヘイトスピーチについては、最高裁判所で、表現の自由を逸脱しているものだと判決が確定している。また、日本に対して、国際社会からも請願趣旨にあるように勧告がなされ、EUを始め、世界では百カ国以上がヘイトスピーチに対して処罰できる規定を定めており、世界の趨勢であると考えている。なぜ日本だけ法規制が出来ないのかについては疑問があり、できるだけ速やかに法の整備を求めるため、賛成するとの意見。
 請願主旨のヘイトスピーチを煽る行為は犯罪行為であることは納得できるが、請願の一部が、特定の民族に偏った内容であること、また、人種差別については現行法でも十分対応できるのではないかと考えることから反対とする意見。
 特に青少年や子供たちにまで被害が及んでいるこの状況を、抑制もしくは阻止する的確な手だてが、今の日本の社会の中では残念ながら見いだせていないのが実情であり、それがないことで、ヘイト問題が起こっていると考える。今後の国際社会で、平和国家の旗手となるべき日本として歩んでいくためにも、日本人以外の方々に対するさまざまなこの脅威となるような物事を抑制し、阻止していくための対応策は必ず必要になってくると考えるため賛成する、との意見にわかれましたので、起立による採決を行った結果、賛成少数で不採択とすべきものと決しました。


 以上、当委員会に付託され、継続審査となっておりました請願1件の審査の経過と結果を申し上げ、委員長報告といたします。

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