平成二十六年十二月定例会
総務文教常任委員会 委員長報告
平成二十六年十二月 九日 開会
平成二十六年十二月十二日 開会
平成二十六年十二月十八日 報告
ご報告申し上げます。
去る二日と十一日の本会議において、当委員会に付託されました案件は、議案五件、請願一件であります。
当委員会は、議会日程に従い、九日の午前十時から及び十二日の午前九時から委員会室において、全委員出席のもと、教育長、関係部課長に出席を求め開会いたしました。
以下、審査の経過と結果について、ご報告申し上げます。
初めに、『議第六十八号置賜総合文化センターの指定管理者の指定について』でありますが、本案は、本市の公の施設の管理を行わせる 指定管理者について、平成二十七年度から、五年間指定しようとするものであります。
本案に対し、委員から、新図書館ができたときの、置賜総合文化センターの空きスペースの活用方法についてただされ、当局から、教育委員会全体の問題として、どのようにするか、検討を重ねているところであるとの答弁がありました。
また、委員から、そのスペースの使用形態の変更について指定管理料の積算上どのように見たのかとの質疑があり、当局から、受託者には、契約時の説明により、使用形態の変更については、了解していただいており、空きスペースの使用方法が決まれば、再度協議するとの答弁がありました。
採決に当たっては、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、『議第六十九号 市立米沢図書館等の指定管理者の指定について』でありますが、本案は、本市の公の施設の管理を行わせる 指定管理者について、平成二十八年度から、五年間指定しようとするものであります。
本案に対し、委員から、図書カードなどの個人情報保護についてただされ、当局から、新しく採用する財団職員すべてに対して、研修等を行い、徹底的に管理をしていきたいと考えているとの答弁がありました。
また、委員から、臨時・嘱託職員が辞めた際の個人情報保護について質疑があり、当局から、米沢上杉文化振興財団との基本協定の中に、秘密保持の条項があり、退職の際にも徹底して守るよう指導したいとの答弁がありました。
さらに、委員から、図書、資料の購入などの仕事には、経験が必要とされるが、五年で退職ということだと、せっかくの経験が生かせなくなるのではないかとただされ、当局から、正職員が中心になって選書等を進めるが、財団と教育委員会が協力して、選書や資料購入に当たりたいとの答弁がありました。
また、委員から、経験が物を言う職場で五年しか雇用しないことには疑問を感じるとの質疑があり、当局から、財団の職員も市に準じて五年と考えているとの答弁がありました。
さらに、委員から、新文化複合施設を活用した、中心市街地活性化策の検討状況についてただされ、当局から、商工会議所、地元商店街、まちなかの方々の代表と本市で中心市街地活性化協議会を組織しているが、できるだけ早い段階で、米沢上杉文化振興財団にも参画いただいて事業の取り組みを考えて行きたいとの答弁がありました。
また、委員から、図書館、ギャラリー、まちなか駐車場の三施設の建設費用と、管理運営費についてただされ、当局から、建設費が、二十八億百八十二万三千円で、管理運営費が、一億八千万円との答弁がありました。
採決に当たっては、指定管理者制度自体が、公営図書館に非常になじみにくいと考えており、導入が一割に及ばない実態の中で、指定管理者制度を導入し、また、不安定雇用の低所得労働者を増やす方針は納得できないとして反対とする意見。一貫して新文化複合施設建設に反対してきており、この度も反対との意見がありましたので、起立による採決を行った結果、賛成多数で、可決すべきものと決しました。
次に、『議第七十号 米沢市コミュニティセンターの設置及び管理に関する条例の一部改正について』でありますが、本案は、米沢市西部コミュニティセンターの室名を改めるとともに、当該室の使用料を新たに設定するほか、米沢市三沢コミュニティセンターの室名を改めようとするものであります。
本案に対し、委員から、六月に教育委員会へ提出された、西部コミュニティセンター管理運営委員会からの要望書の内容について質疑があり、当局から、高齢者の利用に変化があり、和室よりも、有料でも椅子テーブルの部屋の利用をされるようになったこと、一方で、育児教室、ヨガ、ストレッチ、生け花など和室の利用を求める方が多くなり、今まで無料であった老人いこいの部屋を、一般の貸し室と同様に使用料を定め、室名を変えて予約して使用できるように求められたものであるとの答弁がありました。
採決に当たっては、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、『議第七十一号 米沢市立学校の設置等に関する条例の一部改正について』でありますが、本案は、上郷小学校浅川分校を廃止しようとするものであります。
本案に対し、委員から平成二十七年四月以降の利用について質疑があり、当局から、地域の意見を最大限に尊重してほしいとの意見を地元からいただいていることから、教育委員会として、また市としての利用について地元協議会の皆様と慎重に話し合いをする考えであるとの答弁がありました。
また、委員から、まだ十分使える建物であることから、地元の意見を容(い)れながら、地区の発展に寄与するように使って欲しいとの要望がありました。
採決に当たっては、全委員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、『議第八十四号 米沢市一般職の職員の給与に関する条例及び米沢市一般職の職員の給与に関する条例及び米沢市技能職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例の一部改正について』でありますが、本案は、山形県人事委員会による職員の給与等に関する勧告に準じ、一般職の職員の給料月額等の改定を行おうとするものであります。
本案に対し、委員から、実質給与が上がるのかどうか。また、手当は上げるが、据え置きになるというところをわかりやすく説明してほしいとの質疑があり、当局から、給料については、山形県人事委員会の勧告に準じた給料表を使うもので、若年層を中心にして、引き上げがあり、影響額が約千五百四十万円となる。また、期末勤勉手当の支給月数については、勧告に従って〇・二月分引き上げるが、本市の財政状況を踏まえて実際の支給に当たっては、現行の支給月数の三・七五月に据え置くもので、その結果、当分の間、毎年影響額の約五千万円を抑制することになるとの答弁がありました。
また、委員から、手当分の据え置き期間の「当分の間」は、具体的にいつまでなのかとただされ、当局から、新しい給料表導入に当たっては、給料表で上がる方もいるが、下がる方もいて、特に、高年齢層については下がる。それについては経過措置を三年持っている。据え置き期間については、財政が好転すればという条件が付くが、その三年間というものを視野に入れながら、考えていく必要があるとの答弁がありました。
さらに、委員から、この件における職員労働組合との話し合いの状況についてただされ、当局から、職員労働組合も、現在の厳しい財政状況は十分理解しており、給与削減は、避けて通れないものという認識も共有しているとの答弁がありました。
また、委員から、県の人事委員会勧告の県内他市での実施状況について質疑があり、当局から、給与については、ほとんどが、完全に実施されており、手当については、若干率が異なっているが、引き上げか、三・九五月にしており、据え置きは、本市だけと見込んでいるとの答弁がありました。
採決にあたっては、本市での、給与水準の官民較差が三倍ぐらいあるものと思っており、市職員給与を上げることには、反対との意見と、公務員の労働基本権の制約があることから、その代替措置として、人事院勧告の制度が設置されたものであり、その制度に従わないことには非常に問題があり、本案については賛成との意見に分かれたため、起立採決を行った結果、賛成多数で、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、『請願第七号 集団的自衛権行使に反対する意見書提出についての請願』についてでありますが、
本請願は、集団的自衛権の行使を容認する『閣議決定』を撤回し、集団的自衛権行使のための立法措置を行わないことを求める意見書を、政府に対して提出していただきたいとするものであります。
審査に先立ち、請願者から補足説明を受け、審査に入りました。
本請願に対し、委員から、外交努力のみによって、日本の平和を守れると考えているかとの質疑があり、請願者から、世界でこれから本当にやっていかなければならないのは、まさに、英知をすべて捧げて、この外交努力をすることだと思っているとの答弁がありました。
また、委員から、これまで、憲法の中で、この集団的自衛権行使については、行使容認なり、また、武力行使の目的を持った部隊の海外派遣や、武力を伴う国連軍への派遣は許されないということが内閣の統一した考え方だったと思うが、内閣法制局が、今までの見解を大きく転換したことについて質疑があり、請願者から、内閣法制局に相当の圧力があったものと感じているとの答弁がありました。
さらに、委員から、軍事力の行使に加わることで、本当に平和の創出に貢献できるのかとの質疑があり、請願者から、武力による解決は、何も将来を生まないと信じている。恨みは、恨みを重ねるだけで、その恨みの矛先がなければ、どんなところにも、その矛先を向ける人が生まれてくる。世界がもし本当にテロの時代になったときにも、日本が、平和をしっかり守っていくことで、違うぞというメッセージを言い伝えられることが、世界の将来のために必要だと思っているとの答弁がありました。
また、委員から、日本国憲法第九条があるので、自衛隊を無尽蔵に派遣するようなことはないと思うがどう考えるかとの質疑があり、請願者から、条約は、非常に複雑な関係にある法律で、国会の事後承認が必要だが、内閣が勝手に国民に先行して締結することもできるもので、いったんそれが定まってしまうと、国内法と矛盾しても、守らなければならない国際法上の責務がある。憲法九条がそっちのけになることが当たり前にあるので、そうした派遣もありうるとの答弁がありました。
また、紹介議員から、以前、日米ガイドライン、防衛協力指針は、日本有事以外の周辺での軍事紛争で、自衛隊と米軍が密接な協力のもとに、戦闘に参加することが規定されていたが、今回、十月八日、日米の外務防衛局長会議でまとめられたガイドラインの中間報告の中で、周辺という言葉が完全に消えて、そのかわりに、アジア太平洋及びこれを越えた地域という記述になっていること。さらに、平時、周辺事態有事といった段階的区別ではなくて、切れ目のない、という言い方に変わっている。このことから、いつでも、米軍と世界のどこででも軍事協力をしなければならないとする指針に変わっているとの説明がありました。
委員間討議においては、集団的自衛権という国連で認められている権利を、行使すべきと考えており、請願には反対するとの発言。日本の憲法の平和主義については、高く評価されており、国際的な、さまざまな紛争が絶えない中で、日本の立場というのは、やはり外交努力であったり国際協力であったりそういったものを進めながら、今後、紛争のない国際社会に向けて進むべきものだと思っている。今回、集団的自衛権の行使容認を一内閣が、閣議決定として各閣僚が決定しただけで、進められるということは大変将来に禍根を残すし、問題があるというように感じているので、請願に賛成するとの発言。あくまでも、憲法第九条のもとで許される専守防衛のための範囲を明確にするものと判断しており、請願に反対とする発言。国際社会の中での対等な外交関係からすると、状況によって、集団的自衛権の行使は必要だと考えることから請願に反対するとする発言。閣議決定だけで武力行使容認をして良いものか疑問に思っており、戦後平和憲法を定めてから、我が国は、戦争で誰ひとり失わず、そして殺しもしなかった。この憲法を守るためには集団的自衛権行使に反対するこの請願に賛成するとの発言。友好の国と共同で守りましょうよというのが現実的な話だと思っており、この請願の集団的自衛権に反対するという意見には反対との発言がありました。
採決に当たっては、委員間討議で意見が分かれましたので、起立による採決を行った結果、賛成少数で、不採択にすべきものと決しました。
以上、当委員会に付託されました案件の審査の経過と結果を申し上げ、委員長報告といたします。