昨年の本市は感染症によって多くの分野に影響が出たのはもちろんですが、大雪、夏の霜・雹による農作物への被害など、自然災害にも苦しんだ一年でした。そのような中、新庁舎の完成、新病院建設の着工、子育て遊戯施設の設計開始、各省庁の取り組みへの選定など明るい話題も多く、本市の未来創りの基礎固めが緒に就いた年となりました。
世界中がコロナ禍にある現在ですが、社会の変動は止まることなく、デジタル化やゼロカーボンへの取り組みが加速しており、本市においても市役所窓口でのキャッシュレス決済の導入や、小中学生の情報端末を活用した学習などが開始されました。今後もより暮らしやすい社会となるようデジタル化を推進した市政運営を行います。
また、各地で多発し激甚化している自然災害の原因ともいわれている地球温暖化の防止に向け、省エネの推進、再生可能エネルギーの活用促進を図り、「2050年までに、温室効果ガス(二酸化炭素)排出実質ゼロを目指す、ゼロカーボンシティ」としての取り組みを継続していきます。
冒頭にも触れたように、本市は昨年、内閣府の「SDGs未来都市」、環境省の「地域循環共生圏活動団体」に選定されました。現代は、人口減少、少子高齢化が進むなかで、社会、産業構造の変化への対応が求められています。リモートワークを推奨するような新しい価値観を通し、何事も東京に一極集中するのではなく、様々な面での地方分散化を目指し、経済・社会・環境の三側面の好循環における地域づくりを推進する必要があります。
今年は、本市も対象地域である「最上川流域の紅花システム」が世界農業遺産認定を受けることが期待されています。紅花のように、本市が持っている歴史、文化、自然、食など地域特性をより輝かせ、地域を内発的に発展させていくために「米沢ブランド戦略」や、一人ひとりが元気に活躍できる「健康長寿日本一」などの取り組みを一層推進し、市として自立していくことで将来も持続可能な米沢を創り上げていきます。より良い米沢市の発展を願い、感染防止対策や新型コロナウイルス感染症により疲弊した生活環境と地域経済の回復に向け、職員一同、市政運営に努めてまいりますので、引き続き皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。
(令和4年1月)
米沢市長 中川 勝