【市立病院建替特別委員会 平成28年度調査結果の概要】

地域医療

平成29年3月定例会     

   市立病院建替特別委員長報告 

      平成29年3月24日


 本日は、市立病院建替特別委員会における調査等の概要をご報告するとともに、委員会としての所見を申し上げます。

 当委員会は、米沢市立病院の建て替えにあたり、病院機能の幅広い検討を行い、多額の建設費用への対応などについて、まちづくりの視点を持ちながら調査・研究を行い、議論を進めるため設置されたものです。
 昨年の3月定例会において報告しておりますが、本年度の所管調査については、平成27年12月に明らかになった、精神科の休止問題への対応が急務であったことや、精神科の休止を受けて、建て替え構想そのものを見直さなければならなくなったことなどから、定例会の委員会に絞っての活動といたしました。

 それでは、初めに、当局との協議の主な内容について、ご報告いたします。
 まず、6月に開催した委員会では、当局から「市立病院建替構想の見直しの見通しについて」報告があり、4月、5月の経営状況を見た段階では、精神科の休止が、病院経営全体に与える影響を見極めるまでには至っていないことから、建替構想の見直しには少し時間をいただきたい、との内容でした。


 次に、9月に開催した委員会では、当局から「市立病院建て替えに係る現状について」報告があり、精神科休止による市立病院の経営の立て直しと併せ、市内の救急医療の継続を最重要課題と捉え、人口減少社会における地域医療の在り方について、市内民間病院とどのような医療連携を図られるのかを協議し、改めて市立病院の建て替えの考え方や見通しを示していく必要があると考えている。
 具体的には、事務レベルで行ってきた三友堂病院との協議について、さらに上のレベルでの協議に移っていきたい、との内容でした。

 次に、12月に開催した委員会では、当局から「市内民間病院との医療連携について」報告があり、11月に、三友堂病院と市長、病院事業管理者間で、有識者を構成メンバーに含めた「検討委員会」を設置することについて合意した。
 具体的には、山形大学医学部参与、米沢市医師会長、三友堂病院理事長、米沢市長、米沢市病院事業管理者を委員に、県置賜総合支庁保健福祉環境部長、置賜保健所長等をオブザーバーとして委員会を構成し、初回の開催時期については、本年1月の開催を目指し、日程を調整している、との内容でした。
 これに対し委員から「検討委員会による協議の結論、方向性を出す時期について、市立病院の建替計画の策定時期について」など、種々質疑がありました。


 次に、今定例会において開催した委員会では、当局から「米沢市医療連携あり方検討委員会の状況等について」報告がありました。
 今月、31日に第2回目の検討委員会を開催し、経営形態の制度比較などについて協議いただく予定であること。
 また、それぞれの病院においては、建て替えの方向性が示されるまでの間、並行して両病院の規模や建設費をシミュレーションするなど、双方の病院経営が成り立つ点を探っていく動きになる、との内容でした。
 これに対し委員から、市立病院の建て替えは、本市のまちづくりに大きく関係する事案でもあるので、1日も早く結論を出していただきたい、との要望。
 また、三友堂病院との医療連携については、医師不足の解消や、老朽化した施設の更新ができることなど、地方都市が安心できる医療体制を構築していくうえで、全国各地へ波及していくような取り組みだと考えている。今後、市民の皆様に背中を押していただけるような環境の中で、情報を公開しながら、透明性のある議論を進めていただきたい、との要望がありました。


 結びに、当委員会の所見を、一言申し上げます。
 当委員会は、平成26年6月定例会において初めて設置され、今日まで約3年間活動してまいりましたが、この間、精神科の休止問題などがあり、市立病院の建て替えに関する本質的な議論ができない状況が続きました。
 また、先にも述べましたが、本年1月には、米沢市の地域に必要な医療機能の確保と、市内病院相互の医療連携のあり方について検討することを目的に、米沢市及び一般財団法人三友堂病院により「米沢市医療連携あり方検討委員会」が設置されました。
 この「あり方検討委員会」では、市立病院と三友堂病院の一部を再編統合し、地方独立行政法人による新たな病院の設置の可能性について、医療機能、財務状況、制度等の面で検討し、今年中に結論が出されます。
 ご承知のとおり、先の代表質問での当局答弁では、再編統合をするとした場合の予定として、地域医療連携推進法人の設立、地方独立行政法人への移行と併せて、新病院の建設を進めていくことになる。また、それぞれの具体的な実施時期については、現時点では白紙の状態であり、なるべく早い段階で一定程度の見通しを示したいと考えている、との内容でした。

 このようなことから、当委員会としては、今後、三友堂病院との再編統合の方向性に関する議論が進み、新病院建設のめどが立った段階で「特別委員会」を再設置することが望ましいと考えております。

 米沢市立病院は、今後も、置賜二次医療圏の中核的な医療機関の一つとして、地域医療を守る役割を担う必要があります。
 そのような中で、現在の市立病院は、建物、設備ともに老朽化が著しく、耐震強度にも不安があるなど、建て替えが待ったなしの状況です。

 最後になりますが、市長をはじめ、市当局、病院当局はスピード感を持って議論を進め、課題解決にあたるよう強く要望いたします。
 一日でも早い新病院の開設を期待し、委員長報告といたします。

 ありがとうございました。

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