城下町ふらり歴史探訪

 「城下町ふらり歴史探訪」は、米沢に残る史跡などをわかりやすく説明したもので、平成5年4月から平成10年4月まで広報よねざわに連載されものを収録しています。


壱念峰 大字長手

慈覚大師が一年間篭った霊場


壱念峰遠景


獅子岩


縁結岩


幕岩


雲岩


山頂

 今月は、米沢市大字長手の海上(かいしょう)地区と高畠町上和田地区にまたがる、奇岩怪石の名勝地「壱念峰」を訪ねました。
 この名前は、慈覚大師が東北地方を巡った際、仏のような奇岩が連なるこの地に坊をかまえ、篭ること1年にして山寺(山形市)に移ったことに由来すると言います。壱年峰・壱年坊(房)とも書かれます。
 慈覚大師が去った後は、お供の弟子が残り随緑庵(ずいろくあん)という寺を建てたと伝えられています。その後、この寺は天和3年(1683)に左沢(さざわ)(高畠町)に移転、名を霊峰山正覚院と改め、天台宗の寺院として今に続いています。
山寺・霊山と壱念峰
 慈覚大師(円仁)は伝教大師(最澄)のもとで学び、延暦寺第三世についた天台宗の高僧です。東北地方にはこの円仁が開いたと伝える名刹が数多くあります。福島の霊山寺、松島の瑞厳寺、岩手の天台寺・中尊寺、青森の恐山円通寺、象潟の甘満寺、山形の立岩寺(りっしゃくじ=山寺)等です。
 このうち霊山と山寺は壱念峰と同じように、奇岩怪石の山中に建てられた寺です。霊山は貞観元年(859)、壱念峰と山寺は同2年の創建と伝えています。霊山を開いた円仁が壱念峰も開き、1年で山寺に移ったものと伝えられています。
奇岩怪石と古松の景勝地
 壱念峰は高さ440メートル、山体は凝灰岩からなります。その凝灰岩の岩質に硬い所と軟らかい所があり、長年の風化によって侵食されにくい部分が残り、そそり立つ岩場や色々な形の奇岩を作り出しました。
 一方、侵食されて出来た土の部分には松が生い茂り、古松の枝振りは奇岩と共に奇景を作り、昭和8年に県の天然記念物(名勝)に指定されました。また、壱念峰の古松は山形グリーン百選にも選ばれています。
 登山道を登ると、途中に雲岩、機織岩、屏風岩等と奇岩があり、山頂近くの獅子岩のテラスに着くと眼下に米沢市内が一望されます。そこから、鉄鎖のある梯子岩を登 り、不動岩、天狗岩、太鼓岩等からなる山頂に至ると、四方が眺望できます。
 山寺と同じ慈覚大師が開いた奇岩の霊場「壱念峰」。蝉の声を聞きながら、奇岩怪石と古松の名勝地を登り、快い汗を流すのはいかがでしょうか。

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